受注連建設事業協同組合 星野理事長インタビュー
◎受注連建設事業協同組合 星野輝夫理事長インタビュー
「今回の東日本大震災で改めて耐震補強の必要性を痛切に感じた」と受注連建設事業協同組合の星
野輝夫理事長。これまでにも耐震基準に満たない既設住宅の耐震化を進めてきたが、今回の大震災を
機に組合員が一丸となって取り組んでいくと語った。大地震が起きても壊れない住宅にするためだ。
今後の対応について星野理事長にインタビューした。
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―大震災の被災者には、組合としてどのような支援をされていますか。
星野 この度の震災の被災者には組合として義援金を送り、組合員企業でも救援募金に取り組み、
被災者への一時も早い復旧復興を支援しています。震災後には古い木造住宅に住む人たちから被災の
修繕、耐震診断の要望が増えています。市区町村が行う耐震化の予算(助成)は相当に余っているとい
われているので、古い木造住宅は耐震診断をした方が無難だと思います。組合会員の新協建設工業
(理事長企業)では既存住宅の耐震化、耐震補強に全社をあげて取り組んでいますし、他の組合員企業
も同様に取り組んでいます。2月に開催した受注協の総会でも住宅の耐震補強と省エネ促進、いわゆ
るCO2削減についても一丸となって取り組むことを決めました。今回の大地震を機に地域の人たち
にもっとPRして耐震化を勧めようと思っています。
―今回の大地震で建設資材が首都圏へ供給できず、現場で不安が広がっているようですが。
星野 壊滅的な被害を受けた東北地方は建設資材を生産する工場が集中しています。組合員企業も
大きく依存してきましたが、多くの工場で生産を停止し、出荷も困難な状況になっています。現場に
は工程というものがあります。懸命に資材を調達していますが、このような非常事態の中ではなかな
か難しい状況も出ています。首都圏の建設業界はそういう状況ですので一部に混乱が生じているよう
です。震災発生後、組合員企業に「混乱の中でも着々と業務を進めてまいりましょう。経営環境の激
変の中で困難は多いと思いますが、災害対応を着実にされ、危機を乗り切ってもらいたい」とメッ
セージを送りました。
―組合はいつ設立されたのですか。
星野 昭和59年に設立しました。昨年、創立25周年を迎え、今年で26年目です。その前に中小受注
連という任意団体としての期間が8年あり、それを含めると34年の歴史があります。中小受注連は共
同受注ということで組織しましたが、昭和59年ごろは談合問題が社会問題となりました。中小受注連
も談合組織みたいに思われたので、組織名を変更し事業協同組合として再出発しました。東京都知事
から協同組合の認可を取得し、建設業の許可をもらいました。それが昭和59年です。
設立の1年後には官公需適格組合の資格を得ました。資格を得たことで地域密着型の中小建設業組
合として徐々に信用が付いていきました。受注協は過去25年間に200億円に及ぶ共同受注の実績を
積み上げました。しかし、公共事業の大幅な減少で新規着工が少なくなり、近年は数億円の実績にと
どまっています。私はJKの会(中小建設業制度改善協議会)の会長も務めています。JKの会は中小
建設業の官公需制度や経営環境改善の要望、提言することが主な仕事ですが、受注協の事業活動と二
人三脚で活動の場を広げていきたいと思います。