ファサディエ会佐藤新会長インタビュー
ゲーテハウス(小野勘社長、東京都中央区)が組織する左官職人集団「ファサディエ会(=W)」の新会長に就任した佐藤正之氏(ファサディエ★クラブ)は、職人の地位向上を目標に技術力の強化、また若年者の育成にも力を入れていきたいと話す。「今年1年がキーになる」と話す佐藤会長に話しを聞いた。
佐藤氏は「顧客満足度をもっと意識する会にしたい。リピーターを増やしながら、新規顧客も獲得するには、満足する仕事をしなければならない。そのためには技術力を全体的に向上させる必要がある。ファサディエ会のメンバーなら誰でも同じレベルで仕事ができるようにしたい」と話す。
そのための1つの取り組みとして「修繕費ゼロ」を目指す。引き渡し後の修繕には「下地が見えている」など人為的なミスが多いと指摘。「(費用面は)ゲーテハウスがカバーしてくれる、というような考え方がある。そういう認識を変えて、職人1人1人が自分たちで何とかするという気持ちを持たなければならない」と訴える。
4月1日から、修繕費を減らすための取り組みをスタートさせる考えだ。「この1年がキーになる。1年でやれないことは何年かかってもやれない。修繕費はゼロに近づけることができるはず。何とか成果を出したい」と意気込む。
一方、若年者の育成については「若者が何を求めているのかをよく聞いて、ニーズに応えられるようにしたい」と話し、一例として「若者は独立したいという要望が強い。自分の会社にも若年者がいるが、1年も経たずに独立し、失敗しないようなモデルを見せたい。独立後も継続的に教育できるよう、会がバックアップできる形にしたい」と話す。
W=ファサディエ会
ファサードとは、建物の外観を指すラテン語で、ファサードをつくる職人はファサディエと呼ばれ、ヨーロッパでは高い地位を保持している。ゲーテハウスでは、職人の地位向上を目指しファサディエ会を組織。現在、60社約250人が会員になっている。