国土交通省 内田欽也大臣官房地方課長就任インタビュー「社会保険の不公平感無くす」
4月1日付で国土交通省大臣官房地方課長に就任した内田欽也氏は、宮崎県副知事を務め、4年ぶりに本省へ戻ってきた。建設市場整備課時代の約5年前に担当していた社会保険未加入問題は対策が進み、4月からは直轄工事で2次以下の下請業者を保険加入業者に限定する取り組みが始まった。内田氏は「非常に感慨深い」としながら、「当時から言っていたが排除ではなく、あくまでも加入促進だということを基本に進めていく必要がある。現場の状況を踏まえながら、きちんと加入していただくことが、建設技能労働者の確保という面でも、入っているところと入っていないところの不公平感を無くすという意味でも極めて大事だと思っている」と強調する。
就任の抱負としては、「国土交通省は現場力が求められており、そこを支えるのが地方課。4年間宮崎にいた時に整備局の存在は大きかった。整備局の体制をしっかりとサポートしていくことが、われわれの大きな仕事」と語る。また、入札契約制度については「関係団体、関係課と連携しながら、その時々の課題に応えられるようにしていきたい」とし、地方課は中央公契連の事務局でもあるため、担い手3法の浸透に向けて「地方公契連と連携を図りながら、しっかりと進めていきたい」と意欲をみせる。
地方課では、電子入札システムで公共事業の落札者を決定した後の契約から支払請求までの一連の手続きを電子化する電子契約システムの開発を進めている。今後の見通しについては「運用開始は来年8月以降を予定している。ただ一度に全部で実施すると混乱が起きるかもしれないので、段階的に始めていきたい。マニュアルの整備やシステムの機能紹介にも努める」との考えを示す。
宮崎時代の約1年半前に趣味で始めた弓道は初段の腕前。「こちらでも続けていきたい」と話す。
【略歴】うちだ・よしなり
1990年東大法学部卒、建設省採用。国交省土地・建設産業局建設市場整備課労働資材対策室長、国土交通大臣秘書官事務取扱、建設業課入札制度企画指導室長、宮崎県副知事を経て、本年4月から現職。67年5月生まれ。49歳。埼玉県出身。