UR都市機構 村上卓也ストック事業推進部長就任インタビュー「団地を街の拠点に」
皆さまが幸せになる団地をつくりたい―。UR都市機構のストック事業推進部長に就任した村上卓也氏は自身も団地に住んでいた経験を持つ。これからの住宅団地の在り方や業務の取り組みに向けた考え方などを聞いた。
―就任の抱負を
村上 中学生まで団地に住んでおり、団地は私のふるさと。そういった分野に携われることは非常にわくわくすると同時に責任を感じている。当時は団地があり、それに従って商業施設や住宅団地が開発された。高度成長期ということもあって団地を中心に街が動いていたイメージがある。今の時代、団地の役割は変わってきているが、地域にとって団地は一つの役割があるはず。オフィスというのは今後、サテライトオフィスなど働き方の変化が出てくる可能性もあるが、住宅は無くなることはない。皆さまが幸せになる団地をつくっていきたい。
―業務の取り組みと課題について
村上 基本的な業務は、地域の住宅再生課題に対応した現在のストックを再編再生すること。しかし、団地ごとに公共団体ごとに置かれている状況が違う。昔のように一律ではなく、周辺で活動している方々や住民から意見を聞きながら丁寧に進めていく必要があり、団地が将来にわたって街の拠点となるような事業を仕掛けていければと考えている。業務的に団地ばかりを考えがちだが、もう少し幅を広げて街を見ることが必要。それによって団地それぞれの在り方が見えてくる。そこは周りの方々と会話しながら進めていきたい。一つ一つの団地でやるにはマンパワーが必要となるため、現状の限られた人員で進めていくのではなく、いろいろな方々と協力しながら連携して事業を進めることが非常に大事。また、そういう方々の意見を取り入れていくことで、視野が広がり団地の可能性が広がっていくのではないかと考えている。
【略歴】むらかみ・たくや
1985年千葉大学造園学科卒業。同年住宅・都市整備公団入社。都心業務第2部長、事業計画部長などを経て2017年4月から現職。趣味はスポーツ観戦。61年生まれ。東京都出身。