国土交通省 青木由行大臣官房建設流通政策審議官インタビュー「当事者意識で取り組みを」
国土交通省大臣官房の青木由行・建設流通政策審議官(建流審)が就任インタビューに応じ、働き方改革や、さらなる生産性向上へ関係者が当事者意識を持って取り組みを進める必要があるとの考えを強調した。
青木建流審は、「労働者人口の減少が不可避となる中、建設業の生産性を向上させる取り組みはまだまだ不十分。もっと生産性向上の幅を広げ、建設産業全体で大きな運動にしていくなど発注者、元請けはもちろん、専門工事、資材業者などいろいろな関係者が自分も当事者だという認識を持って生産性向上を進める必要がある。それが市場で評価されると、給与水準の向上につながっていくと思うし、そうしなければいけない」と話す。
さらに、「建設業の生産性向上の果実を、末端に至るまでの建設業の担い手、発注者、それから日本経済全体に還元していく。生産性向上だけが目的ではなくて、給与を上げ、日本経済全体を支えていくという循環の中でやらなければならない。そうすれば自ずと発注価格引き上げの流れにもつながっていくのではないか。一つ一つ単発でやろうと思ってもなかなか続かない」と指摘。その前提として「事業が減ると生産性を上げようと努力しても無理。一定の事業量が確保されて初めて生産性を上げるという努力も可能になる」とする。
働き方改革については、民間発注も含めて工期の問題に光が当たったことは画期的としながら、「労働時間の短縮や適正な工期設定というのは重要な課題だとは思うが、それを契機としてさらに生産性を上げる、給与水準を上げる、日本全体の成長率を上げていくという好循環を生み出すために働き方改革をやっているということが大切。逆に言えば、そういったことが発注者や国民の理解と協力を得る上で大きな力になる」とみている。
また、「事業者団体や行政というプレーヤーが大きい方向性を共有した上で、それぞれの立場で対応する。様子見ではなく、自分たちの責任と判断でやることと要請することを素早く決めることが大事」との見解を示した。
【略歴】あおき・よしゆき
1986年東大法学部卒、建設省採用。国交省大臣官房付(兼)復興庁統括官付参事官、土地・建設産業局建設業課長、総合政策局政策課長、道路局次長を経て、本年7月11日付で現職。62年12月生まれ。54歳。山口県出身。