国土交通省 由木文彦総合政策局長インタビュー「バリアフリー法改正も視野」
国土交通省総合政策局の由木文彦局長は就任インタビューで、東京オリンピック・パラリンピック大会を契機としてバリアフリー社会・ユニバーサルデザイン社会を構築することが重要としながら、「バリアフリー法が必ずしも十分ではないところがあり、ハードとソフトの連携がうまくいっていないという指摘もある。制度の対応を含めて検討を深め、必要があれば次の通常国会での法改正も視野に入れながら進めていきたい」との見解を明らかにした。
また、「一つ一つの施設のバリアフリー化のレベルを上げていくことに加えて、施設間の連携に地域で取り組まなければいけない。また、心のバリアフリーと言っているが、多様な方々ができるだけ不利益を受けない社会にしていくことや、何かを実現したいと思った時に他の人に比べて障害が多くならないような社会を作っていくのは非常に大切なこと。その典型的な取り組みがバリアフリーだと思っているので、2020年を一つの契機として、さらにずっと続けられるような取り組みにしたい」と話した。
生産性革命では、20の先導的プロジェクトが決まり、各部局が取り組みを進めている。今後の展開としては、「石井大臣からは20のプロジェクトだけではなく、どうすれば生産性が高められるか、どうやって大きな成果を上げていけるのかという視点は全ての政策の中に盛り込んでいくべきだと言われている。総合政策局としては各部局にきちんと伝えて、取り組みを促していく」とした。
昨年立ち上げたインフラメンテナンス国民会議に対しては今後の積極的な展開に意欲をみせる。「一般の国民にも意識を持ってもらうために国民会議がある。産業面でも老朽化の状況を検査する機器の開発が進み、ドローンやセンサーを使ってできる分野も多い。今後は横展開を図り、皆で良い事例を積み重ねていくことが大切だと思う」と指摘する。『インフラメンテナンス大賞』は来年に2回目の表彰を行う考えで、「できるだけ広く応募をいただけるように取り組みをさらに深めていきたい」としたほか、地方ブロックでフォーラムなどを展開していく考えを示した。
【略歴】ゆき・ふみひこ
1983年東大法学部卒、建設省採用。国交省大臣官房付、内閣官房内閣審議官(内閣総務官室)、国交省大臣官房総括審議官、住宅局長を経て本年7月7日付で現職。60年10月生まれ。56歳。島根県出身。