国土交通省 大臣官房官庁営繕部長 住田浩典氏就任インタビュー「公共建築の水先案内人に」
国土交通省大臣官房の住田浩典官庁営繕部長は就任インタビューで「公共建築の水先案内人として先導的な役割を果たしていけるように力を尽くしたい」と抱負を語った。
「官庁営繕の屋台骨は施設整備」と強調する住田部長は、利用者や地域の役に立ち、価値を高める工夫をしながら施設整備を行う姿勢を見せる。地域との連携も重要であるとし「丁寧に地域のニーズに応じて整備を進めていくことが非常に大事。完成後の保全指導や支援を通じて施設の機能が長期に発揮されるように取り組みたい」と話す。地方自治体等の支援と連携にも力を入れる意向で「木材利用、防災・減災の取り組みなど出来上がるものと、働き方改革や生産性向上のような出来上がるプロセスの両面で、お互いに連携していくことがこれまで以上に大切」と考えている。
建設業の働き方改革に対しては「営繕工事における取り組みはパッケージ化して公表している。本年度は週休2日促進工事として労務費の補正も試行しながら週休2日にできるだけなるように進めたい。建築工事の現場は民間工事も含めて考えると4週4休か、それ以下も多いと聞く。官庁営繕の取り組みが他の発注機関や業界に少しでも広がれば」と期待を寄せる。
公共建築工事の生産性向上では、これまでの取り組みを実行する段階であるとし「具体的にはBIMの活用に取り組む。特に施工段階でBIMを活用したい」との見通しを説明。本年度は試行工事の発注とともにガイドラインの改定を実施する。
また建築市場は民間工事が圧倒的に多く公共発注の事業量は少ないものの、工事の標準仕様書などを活用している発注者は多いことから「工事を発注し事業を実施してプロジェクトのマネジメントも行うことで得られた知見・ノウハウを基準類にフィードバックしていければ、皆さんのお役に立てると思う」と述べた。
【略歴】すみだ・ひろのり
1985年広島大学大学院工学研究科修了、建設省採用。官庁営繕部計画課営繕計画調整官、同部整備課木材利用推進室長、近畿地方整備局営繕部長、官庁営繕部計画課長を経て本年4月1日付で現職。57歳。広島県出身。57歳。好きな言葉は「信なくば立たず」