(財)建設業振興基金 佐々木基理事長就任インタビュー「接点の役割で発展に寄与」
建設業振興基金の新理事長に就任した佐々木基氏は「建設業全体で取り組まなければいけない課題が非常に多くなっている。行政と業界との接点という位置付けにある振興基金の役割を十分に認識した上で、建設業の発展に寄与できれば」と抱負を語る。
振興基金は今秋から運用が始まる建設キャリアアップシステムの運営主体を担う。今後に向けては「一生懸命に普及や理解に取り組んでいるが、実際に動き出さないとなかなか機運が盛り上がらないのも事実だと思う。ただ、これからの少子高齢化時代における建設業の最大のツールだと確信を持っている。スピードと安定性を両立させるような形で、このツールを有効に生かす方法を考えていきたい」と説明。さらに同システムが建設産業に人を呼び込み、安定的な産業を支えていく力になるとした上で「これを成功させなければ建設業に未来はないくらいのつもりで取り組んでいる」と強調する。
今後の人材育成に向けては「右肩下がりで人口が減り、若者が減っていく中においては永遠に続く課題で、いつまでに解決するという問題ではない」と指摘。建設産業担い手確保・育成コンソーシアムで進める地域連携ネットワーク構築支援の取り組みに関しては「成果を検証した上で次のステップで何をしていくのかを関係者一丸となって検討していかなければならない」との考えを示す。
若い人から建設業へ入ってもらうためには教育機関との連携も重要になる。佐々木理事長は「広く国民に建設業に対する信頼感を持ってもらえるような努力をしたい。建設業は魅力ある産業で、自分の造ったものが後世に残る非常に面白い産業だということを理解するためにもインターンシップをどんどんやってもらいたい」とし、さまざまな場所に出向いて意見交換を行う姿勢を見せる。
また内閣府で地方創生に携わった経験から「建設業で身に付けた技術や知識は役に立つはず。いろいろな方々と連携することで新しい道が開けてくるのではないか。力を発揮できる場所はいくらでもある」と述べ、今後の地方創生における建設業の活躍に期待を寄せた。
【略歴】ささき・もとい
1979年東大法学部卒、建設省入省。国土交通省大臣官房建設流通政策審議官、土地・建設産業局長、国土交通審議官、内閣府地方創生推進事務局長、損害保険ジャパン日本興亜顧問を経て本年6月29日付で現職。62歳。