国土交通省 建設業課長 髙橋謙司氏就任インタビュー「将来の布石が重要」
国土交通省土地・建設産業局の建設業課長に就任した髙橋謙司氏は建設産業に携わるのは今回が3回目となる。「建設産業は国づくり、地域づくりを行い、皆の思いを実現していく産業だと思う。景気に影響されやすいが、中長期的な視野に立った将来の布石が大変重要。いいチャンスの時でもあると思うので、少しでも建設産業を、さらに発展させていけるように微力ではあるが皆さまと一緒になって頑張っていきたい」と抱負を語る。
建設産業を取り巻く環境の変化に対しては「長時間労働や週休2日の問題は昔から言われてきたが、なかなかそこまで行き着けなかった。今は少し全体の景況感が改善してきているため、長年の課題に向き合って取り組むという意味では非常にいい機会」と指摘する。
今後の担い手不足の解消に向けては「これから5年後、10年後に人をどう確保していけるのかが重要。職人の持っている技能や経験にふさわしい処遇をいかに実現していくのか。設計労務単価が継続して上昇しているが、それが十分に行き渡っているのかという課題もある。建設キャリアアップシステムなど当時構想していたものが実現目前に来ているので、実際に使われる制度にしていかなければならない」と話す。
建設業の働き方改革については「関係省庁の連絡会議を作り民間発注者も含めて政府全体で取り組む枠組みはできているので、それを実現していくことが重要。しっかりと取り組んでいるところが損をしないように建設業界全体としてやっていく。週休2日でなければ、なかなか人の確保もできないと思う。そこは考え方を変えて取り組む必要がある」と強調する。
建設業者は地域の守り手であり、地域創生の担い手にもなるとの思いがあり「これまでの厳しい時代の中で地域における建設業の数が減ってきているが、守り手、担い手として活動できるようにするところは守っていかなければならない部分。少しでも応援できるように、これまでも取り組んできたが、これからもできることをしっかりとやっていきたい」とした。
【略歴】たかはし・けんじ
1991年京大法学部卒、建設省入省。国交省土地・建設産業局建設市場整備課建設産業振興室長、同局専門工事業・建設関連業振興室長、厚生労働省老健局高齢者支援課長、同局振興課長、内閣官房内閣参事官、国交省住宅局住宅総合整備課長を経て本年7月15日付で現職。50歳。愛知県出身。趣味は山歩き。