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栃木県県土整備部

主要地方道栃木粕尾線大越路トンネル建設工事を年度内に公告

2000/01/12 日本工業経済新聞

 県道路建設課は十二日までに、主要地方道栃木粕尾線大越路トンネル建設工事(粟野町)を年度内に公告、新年度入札の方向で最終調整していることを明らかにした。入札方式は公募型指名競争入札が有力ながら、積算結果次第では一般競争入札となる可能性も残されている。用地交渉が最終段階を迎え、トンネル予定区間の現道付替工事も進捗するなど着工準備が整ったため、本体工事を急ぐことになった。大越路トンネル本体工事には当初予算で三十億円の債務負担行為を設定、用地取得契約の完了を待つばかりとなっている。

 トンネル本体は、延長八一七m(計画幅員一二m、片側歩道付き)。NATM工法を採用し、下永野側から掘削を進めていく。設計は大日本コンサルタント(株)(東京都豊島区駒込三-二三-一)が担当した。七年度に交流ふれあいトンネル橋梁整備事業の採択を受け、用地取得に注力。地権者一人との契約が残されているだけ。来月にも部内方針が固まるもよう。

 これに伴い県鹿沼土木事務所は、来年度予定していた残る大規模構造物のうち一級河川思川を横断する大越路橋の詳細設計を前倒し委託し、本線工事の進捗に備えることにした。工事では、トンネル建設中の迂回路として整備する付替県道横断高架橋下部工の発注を予定し、このほか本線部分の必要個所の測量・設計業務委託を進める。

 大越路橋は、トンネル出口付近(下粕尾側)で思川を横断する本線橋梁で、延長約一五〇m前後。四~五径間の新設橋梁になる見込み。現在本庁内で数案の橋梁形式の中から最終案を抽出中。建設省との協議が終了次第、同事務所から委託される見込み。トンネル工事の進捗に併せ、新年度には下部工の発注も視野に入れ予算化要望している。

 また下部工発注を予定している付替県道横断橋は、トンネル出口(下粕尾側)で現道を上部横断する高架橋。橋長約五〇mの二径間の小規模橋梁で、下部工三基(橋台二基、橋脚一基)のうち橋台一基(直接基礎)を発注する。発注時期は三月ごろになる予定。付替工事延長は、下永野側が約一五〇m、下粕尾側は約四〇〇mとなり、一部を発注済み。

 新年度には、残る橋台一基、橋脚二基(いずれも直接基礎)をはじめ、現在詳細設計中の粕尾側本線区間の町道二〇七八号、同〇二一二号線をまたぐボックスカルバート工や、本線切土工の一部も工事発注が見込まれる。ボックスカルバート詳細設計は(株)長大(東京都日本橋蛎殻町一-二〇-四)、切土地質調査は利根コンサルタント(株)(東京都目黒区下目黒六-一六-一二)が実施中。付替県道詳細設計は(株)公共用地補償研究所(宇都宮市緑二-六-二)が担当した。全体事業費は約五十億円。

 全体計画は一般部が全長一、七五三m。下永野側延長七五三m、下粕尾側同一、〇〇〇m(幅員各一二m、二車線、片側歩道付き)で、三~四段程度の大カットによる切土工が計画されている。切土延長は約一五〇~二〇〇m規模に及ぶという。調査結果により法面保護に法枠工、擁壁、アンカー工などの工法検討も進められる。



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