県県土整備部河川整備課は今年度、県内10河川で事業の再評価を実施する。再評価は5年ごとに実施しているもので、各流域懇談会を開催し、事業の継続、中止を審議する。懇談会は来月中旬から来年3月中旬までの期間で開催する予定。再評価の対象河川は①都川(千葉市)②養老川(市原市)③海老川(船橋市)④坂川(松戸市)⑤真間川(市川市)⑥鹿島川(佐倉市)⑦根木名川(成田市)⑧栗山川(横芝光町、多古町)⑨作田川(東金市-山武市)⑩一宮川(一宮町、長生村、睦沢町)。
対象となる事業は、鹿島川が住宅市街地基盤整備事業、都川が都市河川改修事業、真間川が総合治水対策特定河川事業、栗山川、一宮川、作田川、根木名川、坂川、養老川、海老川の7河川が広域基幹河川改修事業。
このうち作田川と栗山川は、事業の再評価に伴い、山武地域整備センターが河川整備計画検討を委託。坂川は東葛飾地域整備センターが事業再評価業務、海老川は葛南地域整備センターが事業効果検証業務、鹿島川は印旛地域整備センターが整備効果検討業務、一宮川は長生地域整備センターが河川改修業務をそれぞれ委託した。
作田川の河川整備計画検討と海老川の事業効果検証、坂川の事業評価検討、鹿島川の整備効果検討、一宮川の河川改修の各業務は、いずれも三井共同建設コンサルタント(千葉事務所:千葉市中央区中央2-5-1)が担当。栗山川の河川整備計画検討はパシフィックコンサルタンツ(東京都多摩市関戸1-7-5)が担当。
都川は、大和橋から大草町までの6.67kmについて河道改修と遊水地整備をあわせて治水対策を進める。大和橋から加曽利町までの3.94kmについては、河積の拡大を図るため、河道の拡幅、掘削、築堤、護岸等を実施している。さらに加曽利町から大草町までの2.73kmについては、河積の拡大を図るため、用地の取得を進める。総事業費は230億6300万円を見込む。
養老川は、治水事業として明治から昭和30年代まで二線堤を造るなど、洪水による地域の保全に努めてきたが、1970年7月の大洪水を契機に河川断面を拡幅し、洪水安全度の向上を図るため、養老大橋(国道16号)からJR内房線までの3600m区間を71年度から旧中小河川改修事業、現在の都市河川改修事業を導入し整備を進めている。総事業費は139億600万円を見込む。
海老川は、近年の急激な都市化による流出増で、過去頻繁に洪水被害が発生していた。同事業の進ちょくにより時間雨量30㎜に対応できるまでに整備が進んでいるが、さらに上流の調整池の効果と一体とした50㎜の降雨に耐えられる河道の整備図る。総事業費は約475億円を見込む。
鹿島川流域は、高崎川流域とともに宅地開発が急激に進み、96年9月には高崎川の氾濫等により床上浸水10戸、床下浸水110戸が被災するなど、著しく流出量が増大。そこで、鹿島川全体の改良計画を見直すとともに、下流部2700mについて、時間雨量50㎜に相当する計画高水流量30ha/Sの改修を91年度から都市河川改修事業により着手し、また、94年度からは住宅市街地基盤整備事業を導入し推進している。総事業費は126億3050万円を見込む。
根木名川は、支川の取香川、小橋川、荒海川を合わせ、成田市内を北に向かって流れている。河川指定延長が16.2km、流域面積は86.8K㎡で、時間50㎜の降雨に耐えられる暫定改修が94年度に完了し、引き続き、治水安全度の向上を目指して改修を進めている。
作田川は、JR東金線橋梁から成東町市街地までを76年度から小規模河川改良事業を導入し整備。河口からJR橋梁までを85年度から中小河川改良事業で推進し、95年度から広域河川改修事業を投入。さらに高倉川合流点から境川合流点について、98年度から03年度にかけて住宅宅地関連公共施設等総合整備事業により概成し、境川合流点から上流源川合流点については、03年度から床上浸水対策特別緊急事業を導入している。
栗山川は、本河川上流部の河川断面不足による浸水被害と下流部の洪水による被害を防止するため、河口から横芝光町篠本までの14.8kmを改修する。これにより、家屋の浸水を防ぎ民生を安定させるとともに、長時間湛水による深刻な農業被害を防止する。総事業費は約247億7200万円を見込む。
一宮川は、昭和40年代の初めまでに1次改修を終了、その後、70年7月に県南部を襲った大雨による水害を契機に50分の1に治水安全度を向上させ、河口から瑞沢川合流点までの7040m区間について全面的に改修することになった。改修では現在の川幅を約2倍に拡幅し、流下能力の増大を図る。同事業では、92年度から住宅市街地基盤整備事業を導入し、用地の取得及び築堤護岸を進めている。総事業費は235億3300万円を見込む。