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防災白熱アカデミィが新潟市でセミナー

2013/11/28 新潟建設新聞

 災害時の避難・救命活動と被災軽減のため、防災教育、技術開発などの促進を目的に設立されたNPO法人防災白熱アカデミィ(神戸市東灘区、理事長・高田至郎神戸大学名誉教授)が26日、新潟市内のホテルで水道防災セミナーを開催した。最近の巨大地震による水道システム被害にスポットを当て、耐震管路のあり方や今後の課題を考えるきっかけにと、県内各市の水道事業担当者や、コンサルタント業者ら約70人が参加した。

 セミナーではまず、高田理事長が東日本大震災における水道システムの被害の調査結果を基に、今後の防災、耐震・津波対策について講演。

 同震災での大きな揺れに対する各種施設の被害状況を説明。このうち、浄水・送水など拠点施設の地震対策として、「耐震診断と補強は当然だが、液状化や津波に対する対策も検討対象に加えるべきだ」とし、バックアップ体制、BCPの確立の必要性も指摘した。

 一方、管路に関しては、地震動、地盤崩落、液状化と津波の4項目に視点を置き「被害予測を立てながら、整備優先箇所を選定し、被害の早期検知と早期復旧を」と、ライフラインに欠かせない水道の早期供給を強調した。 続いて、元新潟市水道局技術部長の大沼博幹・大沼水道技術研究所代表が「転換期を迎えた水道の課題と展望~ローカル水道の持続に向けて~」と題して講演。

 人口減少など、厳しい環境下に置かれている地方水道でも、水道サービスは継続していなければならないとし「新たな施設は高規格耐震、老朽化対策と耐震化の同時進行、最優先耐震化施設を選択」することが必要とした。

 セミナーではこのほか、配水用ポリエチレンパイプシステム協会の塩浜裕一技術委員長による100年寿命水道管路の構築を目指した性能確認の実演が行われた。

【写真=約70人が参加したセミナー】


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