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新病棟建設を3月中旬に公告

2017/01/07 群馬建設新聞

国立病院機構高崎総合医療センターは、新病棟(新館)の建設工事について、建築、電気、機械設備を一括で3月中旬に一般競争を公告する方針を固めた。開札は6月中旬を予定しており、6月ごろまでに文化財調査を完了させ7月ごろの着工を目指す。工期は2018年10月ごろを予定する。設計は基本・実施設計のほか工事監理も含めて山田綜合設計(大阪府大阪市)が手掛けている。

新館の建設位置は既設の病棟(本館)北側で、平面駐車場となっている場所。計画規模はS造5階建て、延べ床面積7419㎡を予定している。全ての階は本館と渡り廊下で接続し、1~2階部分は177㎡、3~5階部分の延べ床面積は合計155・82㎡を見込む。渡り廊下建設に伴い、本館の会議室(2階)や手術室(3階)、病室(4~5階)の一部で改修なども含まれる。さらに、既設の進入路を直線的に再整備するなどの改善も行う。

建物内装は、患者が利用する廊下などの床材には発泡層付きビニール床シート張りをメーンとして、このほかは仕様書作成の段階で詰める。壁材は石膏ボード下地に壁紙を張り、水まわりなどには化粧ケイカル板を用いる。診察室や廊下、講堂、ホールなどの天井はロックウール吸音板を整備し、更衣室や倉庫などには化粧石膏ボードを主体とする。

エレベーターはストレッチャーやベッドの入る定員15人のタイプを2基と一般的な定員13人のものを整備。各階には患者用トイレと職員用トイレのほか、車椅子対応のトイレを設置。職員の休憩室などにはミニキッチンなど給湯設備を整備する。照明をLEDにするかは仕様書の中で詰めていく。外壁は本館と一体的な施設となるように押し出し成形セメント板に耐候性塗料を塗布し、タイル張りで色調は統一する。

フロアごとの機能は、1階に120人を収容する講堂(会議室)や地域医療支援連携センター、入退院センター、治験管理室などを配置。2階には乳腺外科や麻酔科外来、通院治療センター、緩和医療科、医局などを振り分ける。3階には手術室を5室増設。うち1室はカテーテル検査をしながら手術を行えるハイブリット手術室を導入する。4~5階には各40床を設置。4階には脳外科や神経内科、5階には脳外科(軽度)や乳腺外科、形成外科、眼形成眼窩外科などを割り振る。

同センターは、年間約3400件の手術を実施しており、手術室の不足が喫緊の課題となっていた。また、職員数も増加傾向にあり、休憩室などの不足も対応策が求められている。新館の建設によりこれら課題の解消と地域がん診療連携拠点病院・地域災害拠点病院として指定されている救急救命センターとしての医療機能の充実を図る。

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