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新潟県三条市

水道事業ビジョンを策定、10年間に64億円投入

2017/01/21 新潟建設新聞

 三条市が策定した本年度から2025年度までを期間とする水道事業ビジョンによると、10年間の更新費用に64億220万7000円の投資を見込んでいる。施設の長寿命化、尾崎浄水場廃止のほか、石綿セメント管、老朽鋳鉄管の更新などに取り組む。

 老朽化した施設の計画的な更新を進めるため、更新時期は法定耐用年数の1・5倍に設定。大量に資産更新が見込まれる期間は前倒しで実施し、投資の平準化を図る。また、施設の廃止や管口径の縮小などダウンサイジングの検討、さらなる運営コスト縮減などにより投資費用を圧縮することで、期間内の更新費用57億3095万2000円、その他建設費用6億7125万5000円の投資規模を設定した。

 資本的支出計画では、17年度以降の各年度建設改良費に約6億2000万円から6億9000万円を見込んでいる。

 投資計画では、10年間の更新費用のうち、浄水施設費1億5079万2000円、配水管布設替工事費55億8016万円を試算。その他建設費用で配水施設設置工事費6598万1000円、配水管布設工事費4億7095万円、消火栓施設費9950万円、固定資産購入費3482万4000円を見込む。

 安全面では、施設の点検、維持管理に加え、防犯監視設備を更新する。18年度に遅場水源防護柵、19年度に遅場浄水場に門扉を設置。20年度から5カ年で▽葎谷▽早水▽八木前▽中野原▽篭場―の各配水池に防護柵や門扉などを設置する。

 また、管路の耐震化もさらに推進する。老朽管の更新に併せて耐震型継手のダクタイル鋳鉄管やポリエチレン管などへ更新し、初年度7・9%の耐震化率を計画最終年度は14・7%とする方針だ。

 応急給水体制の確保として、18年度と19年度に給水タンク(1立方)5基ずつ整備。25年度に給水タンク車(加圧2立方)を購入する。

 浄配水施設の長寿命化では、企業団からの受水量が増大する28年度以降は大崎浄水場の運転を縮小。災害等の備えで維持管理運転をしてきた尾崎浄水場は隣接市の配水管と接続する緊急連絡管の整備が完了したことなどから、廃止を予定する。

 市の水道水源は河川伏流水、湧水、企業団からの受水の3種類で、保有する水道施設は水源2カ所。浄水場2カ所、配水池6カ所、送配水管延長777・5km。

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