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長野県飯田市

隈氏が飯田市を高評価

2017/01/21 長野建設新聞

リニア中央新幹線に関連して19日、地域振興に活かす伊那谷自治体会議の勉強会とリニア駅周辺整備に関する市民説明会が飯田市公民館で開かれた。勉強会には、建築家の隈研吾氏を招いた講演が行われ、東京オリンピックで建設される新国立競技場の設計にも携わり注目が集まる隈氏の講演ということもあり多くの市民らが訪れ、隈氏は「自然の価値が高まってくるこれからの時代で自然が近くに感じられる飯田はとても大きなアドバンテージを持っていると感じた」と飯田市の将来性を高く評価した。

勉強会の冒頭、県リニア整備推進局の水間武樹局長は「年が明けリニア開業まであと10年となった。開業すると東京・名古屋方面の劇的な時間短縮が図られ伊那谷が大きく変わることが予想される。開業するとプラスの効果、マイナスの効果両面あるが、県ではプラスの効果を最大限に引き出すことを考えている」と県の姿勢を説明。今回の勉強会については「昨年10月に隈先生とお会いする機会があり、今の伊那谷の状況をお話ししたところ地域の持っている力を活かせれば世界各地から多くの人を呼ぶことができるのではないかと言っておられ、今日の講演も快く引く受けていただいた。講演では多くのご示唆がいただけるのではないか」と期待した。司会からプロフィールが紹介された後に登壇した隈氏は『地域の力』をテーマに講演。隈氏は「20世紀の街と21世紀の街は対照的な反対なものとなると思っている。大都市に集中し地方がなくなっていったのが20世紀。これからは逆の時代が来ている。21世紀の価値の一つに人間が歩く楽しさがある。それに公共交通機関がうまくミックスした街。飯田に久しぶりに来て歩いてみて、文化の強さと自然の強さが飯田には両方あり、とても大きなアドバンテージを持っている街、世界的に競争力を持った街だとあらためて感じた」と述べた。

その後に行われた説明会では、駅南側約2.7haに交通広場、魅力発信施設、交流広場を、駅北側約3.8haに交通広場と立体駐車場を整備する駅周辺イメージが示された。駅北側は、立体駐車場を県道市場桜町線に面した位置と地形の高低差を活かしたものとする案。さらに交通広場についても同線の標高を考慮した高さの440mに整備すると進入路が短く済むが、駅コンコースと同じ高さの436mに整備すると進入路が長くなることなどが説明された。


【写真=飯田市で講演した隈氏】

隈氏が飯田で講演

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