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あすなろの郷建替へ/2017年度当初予算案を公表

2017/02/21 日本工業経済新聞(茨城版)

 県(橋本昌知事)は20日、2017年度当初予算案を発表した。公共事業費は前年度当初比8・8%増の1190億円で、このうち国補分が8・1%増の985億円、県単分が12・2%増の205億円となった。主な事業としては、東日本大震災関連で、緊急輸送対策強化に200億2000万円、津波対策に140億4200万円を計上。茨城国体関連道路整備には30億2200万円、県営体育施設再編整備に15億7800万円、道路緊急修繕に9億8100万円など。新規では、あすなろの郷建て替えに向けた基本構想策定に着手するほか、建設業における若年技能者育成支援に4200万円を盛り込んだ。

 一般会計の予算規模は1兆1117億6600万円。復興緊急融資の残高減少など東日本大震災関連分の減少を主な要因に前年度比0・8%減となった。震災関連分を除いた比較では3億3900万円の増。

 投資的経費は、緊急輸送道路整備や津波対策など震災関連分の増加などにより、前年度比5%増の1459億円となった。内訳は公共事業費が1190億円、その他投資が325億円。

 公共事業費のうち、国補公共は985億円。緊急輸送道路の整備や津波対策事業など防災体制の強化や(仮称)石岡小美玉スマートICアクセス道路などの国体開催に向けた道路環境の整備、通学児童生徒の安全対策に必要額を確保。農業水産業関係では、ほ場や畑地基盤整備、森林湖沼環境税による間伐等について必要額を確保した。

 県単分は205億を配分。関東・東北豪雨災害を踏まえた河川緊急減災対策や道路緊急修繕などにより、前年度比12%の増となった。県単分が10%以上の伸びとなるのは1995年度当初の15%増以来、22年振り。

 主な事業では、緊急輸送対策強化の復興関連道路に159億6900万円を配分し、国道349号や鮎川停車場線などの整備を推進。また国直轄で茨城港・鹿島港の防波堤などを整備する。津波対策強化では、河川海岸13カ所に99億5400万円、港湾区域2カ所に36億3900万円、漁港海岸等5カ所に4億4900万円を配分し、磯原海岸や鹿嶋海岸、大北川などで事業を行う。

 茨城国体関連道路整備には30億2200万円を計上し、国体会場などへのアクセス道路11カ所で拡幅や交差点改良に取り組む。また観光拠点や国体会場へ向かう道路などの環境整備に4億6700万円を盛り込んだ。

 このほか9億8100万円で、国道294号や石岡筑西線など52カ所の道路を修繕、6億2900万円で通学路等安全対策を施す。老朽化した河川水門や砂防施設などの修繕には4億4100万円を予算化した。

 県営体育施設再編整備では、県体育協会会館の建て替えに向けた基礎調査を行うほか、笠松運動公園や堀原運動公園で施設改修を行う。

 交通安全施設整備事業は18億8300万円に拡充。信号機を前年度比5本増の30基新設、信号柱は同23本増の482本、信号制御機は同60基増の365基を更新する。

 つくば警察署とつくば北警察署の統合で、葛城地区へ整備するつくば警察署(仮称)には2億5400万円を配分。RC造5階建て、延べ5552㎡の施設を17年度から3カ年で整備する。

 新規では、あすなろの郷基本構想策定を予算化。17年度上半期に検討委員会で報告書をまとめ、土木と建築の技術的な見地から調査を行い、基本構想をまとめる。

 茨城空港における旅客の利便性向上に向けては、可動式エプロンルーフを2セット整備。霞ヶ浦流域重点対策推進では、新川流域における新技術を活用した河川直接浄化施設を設置する。

 人手不足が課題の建設業では、新たに技能者人材育成確保事業を立ち上げ、建設業のイメージアップや訓練プログラムを開発。また鉄筋や型枠などで雇用型訓練を実施。訓練期間は6カ月で、定員は15人。

 福祉関連では、老人福祉施設整備に14億5000万円、認定こども園などの整備支援には5億9000万円を計上した。

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