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【水防災意識社会】21年度までに協議会で地域の取組方針

2017/06/21 本社配信

 社会全体で洪水に備える水防災意識社会の再構築を目指す国土交通省は20日、改正水防法の施行に合わせて関係者が協力し2021年度までのおおむね5年で緊急的に実施すべき32項目を定める緊急行動計画をまとめた。主な取り組みでは来年の出水期までに国と都道府県管理河川の全ての対象河川で改正水防法に基づく大規模氾濫減災協議会を設置し、各協議会で21年度までの取り組み内容を記載した地域の取組方針をとりまとめ、防災対策を充実させる。

 また、水害危険性を周知するため、協議会の場などを活用して来年の出水期までに今後5年間で指定予定の洪水予報河川、水位周知河川について検討・調整を行い、地域の取組方針にまとめる。さらに21年度までに市町村役場などの所在地に係る河川のうち、現在未指定の約1000河川において簡易な方法も活用しながら浸水想定や河川水位などの情報を提供する。

 決壊までの時間を少しでも引き延ばす堤防構造を工夫する危機管理型ハード対策については、国管理河川では整備箇所や整備手順を協議会で確認し、20年度までに対策延長約1800㎞を整備。都道府県管理河川では実施箇所の優先区間を定めて協議会で確認し、順次整備を実施する。

 洪水氾濫を未然に防ぐ対策として行う堤防等河川管理施設の整備は、国管理河川では20年度までに対策延長約1200㎞を整備し、都道府県管理河川では河川の整備状況、整備方針などを協議会で共有、優先区間を定めて順次実施する。

 水防体制の強化では、毎年、出水期前に重要水防箇所や水防資機材等を河川管理者と水防活動を行う建設業者を含む関係者が共同で点検する。

 河川管理の高度化検討では、国管理河川で17年度中に河川堤防や河床の形状を面的に計測する陸上・水中ドローンと、降雨・強風時でも飛行し災害発生現場の映像などを迅速に収集する全天候型ドローンを開発し、18年から順次配備する予定。開発したドローンについては17年度内に国から都道府県へ情報提供する。

 石井啓一大臣は同日の会見で「今後、計画に沿って都道府県等の関係機関と緊密に連携し、防災・減災に向け全力で取り組む」と話した。

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