記事

事業者
(社)長野県建設業協会木曽支部

木曽支部が県現地機関と意見交換

2017/06/23 長野建設新聞

長野県建設業協会木曽支部(加藤晋悟支部長)は21日、県現地機関との意見交換会を木曽建設会館で開いた。当日は協会側から正会員19社のうち16人、準会員から3人、県側から木曽建設事務所の市岡進所長や木曽地域振興局の久保友二副局長など8人が参加。協会側の提案議題に対し、県側が一つずつ回答する形で進められた。その中で、若手技術者を評価する制度について、地元業者は若手技術者を採用しようと求人を出しても応募のない現状を述べ、若手技術者を比較的確保しやすい都市部や大手業者と地元建設業者における課題を指摘した。

あいさつで加藤支部長は、「本日の提案を一つひとつ着実に実行していってほしい。そうすることが利益を出すこと、会社を維持していくことにつながる。若手入職にも力を注ぐことができ働き方改革にもつながるのではないか。本日は有意義な意見交換としたい」とあいさつ。続いて市岡所長は「こうした意見交換会を通じて業界の皆様の意見を反映することで、建設業界を取り巻く環境は少しずつ改善されているのではないか」と建設業協会との意見交換会の意義と成果を強調。6月2日に行われた木曽青峰高校生の現場実習をあげ「高校生が一人でも多く地域を支える建設業に入り、近い将来、一緒に働けることを願っている。これからも建設業への就労促進、若手技術者確保に取り組んでいく」との姿勢を示した。

今回提案された議題は①入札制度②工事発注③工事発注の事前調整④工事発注時における設計⑤工事の設計積算⑥週休二日制⑦工事の管理および検査⑧今後の工事発注予定の8つで、週休二日制については今年新たに加えられた。

そのうち入札制度は、地元の工事は地元の業者が受注しやすい発注条件となるよう県内一円の工事規模や地域指定の金額の引き上げ、さらに総合評価で地域に本社のある会社の配点アップを求めた。これに対し県側は「県全体に関わる問題であり、主管課にしっかり伝える」と昨年と同様の回答。これを受けて支部側は「この設定金額は長期間変わっていない。しかしこの間、労務単価や資材単価は上がり経費率は高まっており、同じ金額でも当時の工事規模よりも現在は小さくなっているので再考をお願いしたい」と強く求めた。同種工事の施工実績については、「郡内の工事発注量が少なく、実績5件以上などは条件を満たすことが困難だ」として期間の延長や実績数の緩和を求めた。

工事発注における若手技術者の評価に関連して木曽支部から「若手技術者の配置を評価する制度は、(若手技術者を比較的確保しやすい)都市部や大手業者に有利に働くのではないか。われわれ地元業者は求人を出しても入ってこない。こうした制度のもと、同じレベルで入札しても受注できない」と意見が出され、補足して加藤支部長は「一昨年、木曽青峰高校を卒業し建設業界に就職した12名中2名が木曽で、残る10人が郡外または県外」と紹介。若手技術者を評価する入札制度における課題を指摘した。

工事の設計積算における産業廃棄物の清算について「設計数量と実際に発生する数量に相違がある」とし、事例として「木曽郡内はオーバーレイが多いが、道路厚が設計では5㎝となっていても実際は10㎝だったりそれ以上の箇所もある。舗装については実数量でみてほしい」と求めると県側は「写真を撮るなどして変更について監督員と協議してほしい」と理解を示した。


【写真㊤県側、写真㊦木曽支部】

県側 木曽支部

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら