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(社)山梨県建設業協会

県内業者の参加工事拡大を/関東整備局に要望

2017/07/27 山梨建設新聞

 県建設業協会は、国土交通省が県内で発注する工事で県内建設業者が入札参加できる工事の大幅拡大を、関東地方整備局との意見交換会(19日)で要望した。具体的には、土木工事のCランク工事、舗装工事のBランク工事の大幅拡大を求めた。

 関東整備局では、B等級工事でも難易度が低い工事はC等級の参加を一部認めており、総合評価方式での「地域密着工事型」や「地域防災担い手確保型」を2017年度も実施していくと回答した。

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 要望内容と回答趣旨は次のとおり。

 【要望内容】

 関東整備局においては、中部横断自動車道の新清水JCTまでの2019年度中開通のため、事業費の確保と工事発注を精力的に進めていただき、感謝申し上げる。

 中部横断道整備のための県内での発注工事量は大幅に増加し、県の直轄事業負担金も増加し、協会会員は受注危機の増加に大いに期待していた。

 しかし、保証会社の前払金状況などからの推定によると、県内建設業者の受注工事量は、15年度と16年度は中部横断道直轄工事開始の前より逆に減少している。

 また、県外企業を合わせた全体受注高に対する県内企業の受注高の比率は、ここ数年、非常に少なくなっている(別表参照)。

 昨年の熊本地震など大規模地震や想定外の集中豪雨、豪雪などによる自然災害が突然発生した事態において、直轄道路の速やかな応急復旧工事などに対応し、地域住民の安全と安心を確保できるのは、地域に密着した地元建設業者である。

 関東整備局においては、安倍政権が進める地方創生、アベノミクス効果の地方への浸透を実現させるためにも、また県内の建設業者が地元で活躍でき、地域経済活性化に寄与し、災害に強い国土づくり、国民の安心・安全を確保するという社会的責任を果たしていけるように、県内の国土交通省発注工事において、県内建設業者がより多く入札参加できるよう、県内企業が入札参加できるランクでの工事量の大幅拡大を要望する。

 国土交通省における県内業者のランク状況は、土木工事はBランク1社、Cランク90社、舗装工事はAランク1社、Bランク17社。

 このため、土木工事でのCランク工事、舗装工事でのBランク工事を大幅に拡大していただきたい。

 【回答主旨】

 関東整備局としても、現在および将来にわたって公共工事の品質確保が行われるよう、地域における担い手の育成・確保が重要と認識している。

 そのため、工事発注にあたっては、工事の特性や地域の実情を踏まえつつ、適切な工事規模を設定し、B等級の工事でも難易度の低い工事にはC等級の競争参加を一部認めている。

 総合評価においては、地域精通度や地域貢献度を評価する「地域密着工事型」や災害対応を含む地域維持の担い手確保を目的とした「地域防災担い手確保型」を実施しており、17年度もこれらの取り組みを引き続き実施していく。


【表=山梨県の直轄事業負担金と直轄工事受注状況】

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