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千葉県県土整備部

年度内に港湾計画案/県港湾課/港湾計画専門部会を開催/物流・産業等柱に基本方針

2017/08/07 日刊建設タイムズ

 県県土整備部港湾課は「千葉県地方港湾審議会千葉港港湾計画検討専門部会」(会長・渡邉豊東京海洋大学大学院教授)を千葉市のホテルプラザ菜の花で開催。港湾計画の改訂と今後のスケジュールについて審議した。改訂に向けては、港湾計画の基本方針などが示された。年内に港湾計画の素案をまとめ、年度内に港湾計画原案を作成。そのうえで、来年5月に県の地方港湾審議会に諮り、その後、国の交通政策審議会の承認を得て、来年夏以降の改訂を目指す。

 港湾計画の改訂では、昨年1月に「千葉港長期構想」を策定。専門部会は長期構想を踏まえ、今後の千葉港の役割・整備の方向性・必要施設等について検討を行い、次期港湾計画の原案を作成する。また、千葉港幹事部会で素案を作成する。

 今回の専門部会では、港湾計画の改訂に向けての港湾計画の基本方針、港湾の基本フレーム、要請と課題への対応策について話し合った。

 基本方針は、目標年次を平成40年代前半とし、将来像として「グローバル化、地域間競争の時代の県内企業の発展を支える千葉港」「県民の生活と安心を伝え、県民と共にある千葉港」「環境を守り、人々が感じふれあえる千葉港」の3つを掲げた。この将来像の実現に向けて▽物流・産業4項目▽生活と安心3項目▽環境・ふれあい2項目――の合計9項目の方針を定め、港湾計画を改訂する方針とした。

 基本フレームでは、基準年次を13年から15年に見直し、公共貨物、専用貨物の千葉港取扱貨物量を推計。公共貨物は完成自動車等の増加により約290万t増(約25%増)を見込むが、専用貨物は原油、石油製品の減少により約1700万t減(約12%減)とし、全体では約1億4300万t(9%減)を見込む。

 要請と課題への対応では、千葉港千葉中央地区の主要施設の将来状況イメージとして①岸壁の増深・延伸により、船舶の大型化に対応した岸壁の整備②埠頭の再編により、埠頭内・埠頭間の荷役や運送の効率化を図る③クルーズの寄港要望を踏まえ、貨物岸壁を改良することにより、整備中の緑地や旅客船桟橋と一体となったにぎわい空間の創出を図る――などが示された。

 港湾計画の方針は次の通り。

 ▽物流・産業=①大型化するコンテナ船や自動車専用船に対応するため、航路や岸壁の増深により物流機能の向上を図る②不足している自動車ヤードやコンテナヤードを確保するため、港湾用地の確保を図り、埠頭機能の再編を行う③東京湾における鉄鋼・鋼材、食品関係物流拠点の機能向上を目指す④小型船だまりの集約・再配置を行い、水域利用の適正化を図る。

 ▽生活と安心=①災害時に緊急輸送物資等を確実に被災地に届けるため、耐震強化岸壁の計画的な整備により港湾機能の災害対応力を高める②旅客船桟橋を整備することにより、東京湾内の海上交通の実現に寄与するとともに、地域資源を活用しながら賑わいの確保に資する③クルーズ船が接岸できるよう岸壁施設を改良し、地域のクルーズ船誘致活動や船社の寄港要請に適切に対応する。

 ▽環境・ふれあい=①港湾緑地の適切な配置と整備により、県民が海に簡単にかつ安全にアクセスできる環境を整える②港湾施設の整備に当たって、再生可能エネルギーの活用などによりCO2などの温室効果ガス削減等環境対策を行う。

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