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千葉県農林水産部

年内に農水振興計画/県農林水産部/策定懇談会が初会合/産業振興、地域振興柱に素案

2017/08/08 日刊建設タイムズ

 県農林水産部は、本年度で「千葉県農林水産業振興計画」を策定する。計画の策定に伴い、有識者や関係団体から意見を聞くため「千葉県農林水産業振興計画策定懇談会」を設置。今月3日に県庁議会棟で初会合を開いた。今回は第1回目で、本県の農林水産業の状況を説明するとともに、次期計画の素案を提示し、計画の方向性が示された。懇談会の座長には大江靖雄・千葉大学大学院園芸学研究科教授が就任した。

 次期計画は、現計画が本年度で期限切れとなることから策定。本年度からスタートする県の新総合計画を踏まえて策定する。計画期間は2018~21年度の4か年。懇談会の意見などをもとに案を作成し、10月下旬にパブリックコメントを実施。その後、県の農政審議会に諮り、年内の策定を目指す。

 懇談会では、伊東健司・県農林水産部長が「国の動向や情勢の変化に幅広く対応するとともに、県の農林水産業を発展させることで生産者の所得向上につながる具体的な取り組みを千葉県農林水産業振興計画として取りまとめる。計画に当たっては現場の実情を踏まえることが大切。農林水産業に携わる皆様の意見を直に聞いて、今後の農林水産業の発展の一翼を担う計画にしたい」とあいさつ。

 次期計画は「産業振興」と「地域振興」の2つを柱に、産業振興12項目、地域振興4項目の16項目で施策を展開。産業振興では、2020年東京オリンピック・パラリンピックを見据え、新たに「東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機とした農産農林水産物のファンづくり」を追加。農産農林水産物の利用を促進し、国内外から訪問が期待される観戦・観光客への積極的な魅力を発信する。

 地域振興では「都市農業の振興」を追加。都市農業が有する多様な機能を発揮し、産業としての都市農業の持続的な発展などを推進する。

 産業振興のうち「生産基盤の強化・充実」では、基幹水利施設の機能診断、保全計画の策定割合や水田ほ場整備率を高めるとともに、防災重点ため池の減災対策を進めることとした。

 同計画の施策の柱は次の通り。

 【産業振興】

 ▽販売力の強化=①輸出拡大②国内の需要拡大③オリ・パラへの対応▽力強い産地づくり=①農林水産業の生産力強化②多様な担い手の確保・育成③生産基盤の強化・充実▽農林水産業の持続的な発展を支える取組の強化=①試験研究の充実②食の安全・安心の確保③環境・資源への配慮

 【地域振興】

 ▽地域の特色を生かした農山漁村の振興・活性化=①多様な地域資源を活用した農山漁村の振興・活性化②多面的機能の維持・発揮③耕作放棄地、有害鳥獣被害への対策強化④都市農業の振興

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