記事

事業者
長野

信州みちビジョン素案、拠点間道路を優先整備、緊急輸送路改良も推進

2017/09/27 長野建設新聞

 県が策定作業を進めている「信州みちビジョン」の素案がまとまった。同ビジョンは、道路の整備・活用について10年後のみちづくりの方向性を示すものとなる。対象は主に県管理道路。ビジョン対象期間は2018年度から10年間となる。素案では、市街地の道路や役所・医療などの拠点間道路といったコンパクト・ネットワークにつながる道路を優先的に整備するとしている。また災害時を考慮した緊急輸送路の改良、観光拠点へのアクセス道路整備などを挙げている。

 素案では重点分野として▽健康長寿▽県土強靭化▽観光・産業の振興―を柱としている。

 健康長寿では、コンパクト・ネットワークのための市街地道路や拠点間道路の整備を行う。山間部では1.5車線道路を整備する。バス路線の環境については路線改良や停車帯を整備。老朽化対応としては、道路の長寿命化計画や定期点検の実施、ICT技術による道路管理効率化、照明LED化を示す。歩道のユニバーサルデザイン化や無電柱化も挙げている。

 県土強靭化では、緊急輸送路の改築・耐震化・代替路を整備。道の駅では防災トイレや倉庫・井戸などにより防災機能を強化する。災害時の道路情報収集にはUAV(ドローン)を活用することとしている。

 観光・産業の振興では、高速交通網へのアクセス道路を整備。スマートIC設置、観光地の道路・歩道環境整備も提示。自転車道路網や駐輪場整備なども示している。

 ビジョン素案では『つなぐ』(県内外をスムーズかつ効果的につなぐ)、『まもる』(災害や事故から県民の命や暮らしをまもる)、『いかす』(道路の多面的な機能を地域づくりへいかす)―を基本方針に掲げている。県ではビジョン案を年内に作成し、パブリックコメントを経て2018年3月に正式に策定とする考え。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら