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(社)長野県建設業協会松筑支部

松筑分会が工事現場パトロール

2017/11/01 長野建設新聞

建設業労働災害防止協会長野県支部松筑分会(深澤信治分会長)は30日、青年部(関川光寿部会長)、代人会(宮澤靖会長)とともに本年度第1回目となる工事現場安全パトロールを管内15カ所で実施した。工事現場における第三者災害の防止と現場の安全管理の徹底を図るため、松本労働基準監督署と松本建設事務所および松本地域振興局関係課の指導、協力を得て実施したもの。パトロールでは各現場で労災に結びつくことがないかなどを細かくチェックしながら安全施工を呼びかけた。

松筑建設会館に集合した関係者を前にあいさつに立った平林慶則副分会長は「今年は死亡災害が多く発生していると聞いている。松筑管内や建災防の会員には大きな事故は発生していないが、産業界全体では発生しており、それぞれ原因がある。無事故無災害で新年が迎えられるよう有意義な1日となるよう各現場の安全パトロールをお願いします」と呼びかけた。

続いて松本労働基準監督署の今野専門官は今年度の労災発生状況で死亡災害が全国的にみると3割増加しているとし、その原因について「三大災害に加えて、最近は交通事故の影響が大きく、機械の巻き込まれも全国的に増えている。冬期を迎え、より気を付けていただくためにもその辺をチェックしながらパトロールをしてほしい」と述べると、松本建設事務所整備課の相河政登課長は「昨日、台風が通過したこともあり、河川の増水や法面の崩落が心配される。特に1班の皆様には奈川安曇上高地をみていただくので十分に法面に注意してパトロールをしていただきたい」と求めた。

続いて各班に分かれ、打ち合わせを行った後に出発。パトロールは監督署、発注者、建設業協会・代人会・建災防の関係者がそれぞれ分かれた4班編成で実施。1班は川瀬雄一社長(川瀬建設)を班長に安曇方面。2班は高嶋伸光社長(大高組)を班長に山形・波田方面。3班は関川光寿社長(関川組)を班長に筑北・生坂方面。4班は伊藤浩一社長(丸善土木)を班長に松本市内をそれぞれ3~4カ所の現場をパトロール。そのうち4班は最初に海岸寺沢の松本市東桐原1工区の防災・安全交付金(通常砂防)工事(請負者=村瀬組)を訪問。この工事は、海岸寺沢の地すべりや土砂崩れの発生の際に、土石流を止める砂防堰堤の築堤工事で、その1期工事として右岸部1506m3の堰堤を残存型枠(ピアス式)により生コンをクレーンやホッパーを使用して打設する工事。現場代理人の竹折仁さんと監理技術者の小林均さんが当日の作業内容について「作業員は4人でオペレーターが1人。進捗率は35%で工事内容はコンクリート打設45m3」と説明した。パトロールを終えて参加者からは「書類は整理整頓されていて、足場もすばらしい」と評価。また「台風後でもあり、地山には気を付けてほしい」と呼びかけた。伊藤班長は「今年の労災は交通事故が多いと松本労基署から話があったので注意してほしい」と伝えた。

パトロールを終えた各班は松筑建設会館に戻り反省会を行った。また今月28日に行われる松筑分会の建設業三大災害絶滅研修会でパトロール結果について考察と対応が検討される。


【写真=現場をパトロールする平林分会長(右端)や伊藤班長(左端)】

秋のパトロール

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