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茨城県水戸市

年明けに大手門外構公告/二の丸角櫓・土塀は一括

2017/11/01 日本工業経済新聞(茨城版)

 水戸市歴史文化財課は、三の丸2丁目地内で旧水戸城大手門の復元工事を進めており、年明けにも柵設置など土木中心の外構工事を一般競争入札で発注する。関連工事の二の丸角櫓・土塀整備についても同時期ごろに一般競争入札で発注する。外構の工事費は約1億5000万円。二の丸角櫓・土塀の工事費は約8億6400万円。大手門は2019年9月のいきいき茨城ゆめ国体開催前までに完成させる。二の丸角櫓・土塀は20年度の完成を目指していく。

 この事業は、水戸城跡周辺地区で水戸城大手門、二の丸角櫓、土塀などを復元し、歴史的景観の向上を図ることを目的としている。水戸城の魅力を高め、市民や観光客が集い、交流する場となるよう、歴史まちづくりの一環として整備を進めている。

 14年に弘道館・水戸城跡周辺地区の歴史まちづくり基本構想をまとめ、15年には整備基本計画を策定。設計は公益財団法人文化財建造物保存技術協会(東京都荒川区)。

 大手門(W造2階建て、延べ118・79㎡)の建築工事については、吉田・長洲JVで工事を実施中。外構工事は土系舗装や柵設置などの土木工事がメイン。工期は20カ月程度とし、遺構を保護しながら、建築工事と調整しつつ茨城国体前の完成を目指す。

 二の丸角櫓の規模はW造2階建て、延べ95・02㎡。軒高7・015m、棟高10・016m。外壁は1・2階とも土壁の上漆喰塗り。屋根は入母屋造、本瓦葺(土瓦)とする。開口部は1・2階とも格子窓および片引土戸。

 水戸駅北口ペデストリアンデッキから眺望できるランドマークとして、水戸城跡の様子を気付かせる存在とする。これまでに実施した発掘調査で規模と位置が判明しており、これに基づき復元整備を推進する。

 歩行者動線は、近隣に学校施設があることから、児童生徒の安全性や周辺緑地の保全、バリアフリーに配慮し、歴史・観光ロードからのアプローチを検討する。

 土塀はRC造で、延長508・5m(大手門北側60m、大手門~二の丸角櫓間264・5m、南側184m)。棟高は1・8m。外壁は上部が大壁漆喰仕上げ、下部が板張り。屋根は瓦葺。

 二の丸角櫓と土塀は一括で工事を発注する。工期は約30カ月。担当によると、伝統技術の継承を図るため、地元業者向けの工事発注になるという。

 本年度当初予算には、水戸城二の丸角櫓・土塀整備事業として4カ年継続費8億8920万円(17年度=7410万円、18年度=2億9640万円、19年度=2億9640万円、20年度=2億2230万円)を設定。

 市の例規によると、予定価格1億5000万円以上の工事は議会の承認を得る必要があるため、いずれも3月議会を経てから本契約を結ぶことになりそうだ。


 【図=二の丸角櫓イメージ、位置図】

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