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長野県建築士事務所協会松筑支部

松本で伊東豊雄氏が講演

2017/11/03 長野建設新聞

長野県建築士事務所協会松筑支部50周年記念事業として、伊東豊雄氏による記念講演が、まつもと市民芸術館で行われた。テーマは「地域を元気にするために」で、会場には会員や建築に関わる多数の人が聴講に訪れた。

伊東氏は、会場となったまつもと市民芸術館の設計者でもあり、当時を振り返ると「この場所でこの建物の話をするのは初めて。この場所は高さ、地下水、隣接する周囲の民家と制約が多く、ここほどプランニングするのが難しかったところはない。当時の有賀市長から、お城と石積みを建築にしてくれと言われ、困ったなと思ったが、象嵌(ぞうがん)した外壁を示したところ、有賀市長も認めてくれた」と振り返った。また、同じく松本市内で建設の進む信濃毎日新聞松本本社ビルの建築も伊東氏による設計で、こちらについて伊東氏は「新聞社という公共的機関だが民間でもあるという非常に面白い企画のもとで設計が進んだ。設計のプロセスに特色があり、この施設ができたら何をしたいかを、住民とのワークショップを繰り返し、社員からもヒアリングを行った。何もない時からどんなものがほしいのか同じ方向を向いて取り組め、完成後に町の人たちが実際にどのように使ってくれるのか非常に楽しみだ。公共でこういうことができたら理想だと思う」と語り、最後に、「技術によって自然を征服できると考えるのではなく、自然から祝福される建築をつくらなくてはならない」と締めくくった。

松筑支部の堀内支部長は「地域を元気にするために、先生の作品を紹介していただいたが、建築に対する先生の心意気が伝わってきた。先生の作品をもっと勉強して、わわわれもさらに向上していきたいと思う」とお礼の言葉を送った。

伊東氏が講演

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