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県が緊急輸送道路などに215億円/道路・堤防の維持管理に131億円/県18年度当初予算案

2018/02/24 日本工業経済新聞(茨城版)

 県(大井川和彦知事)は23日、2018年度当初予算案を発表した。公共事業費は前年度当初比0・9%減の1180億9700万円で、このうち国補分が3・9%減の945億9700万円、県単分が13・5%増の235億円となった。災害に強い県土づくりに向け、緊急輸送対策強化に215億6800万円、治水直轄事業負担金に26億1500万円、防災・減災対策事業に15億6000万円を計上。道路や堤防の除草・修繕などの維持・管理対策事業には131億100万円、通学路等安全対策事業には19億9700万円。新規では、アクアワールドのリニューアル事業に1億3100万円、あすなろの郷再編整備関連事業に3500万円を盛り込んだ。

 一般会計の予算規模は1兆1116億8800万円で前年度並みで、東日本大震災関連分を除いた比較では131億3000万円増(1・3%増)となった。

 投資的経費の総額は1460億円。公共事業全体は1181億円で前年度比0・9%減。震災関連分を除くと66億7300万円増(8・1%増)。その他投資は324億円。

 公共事業費の国補公共では、緊急輸送道路の整備など防災対策の強化のほか、企業誘致や観光振興に向けた幹線道路の整備、日常生活を支える生活道路の整備などに必要額を確保。

 農林水産業関係では、ほ場や畑地基盤整備、森林湖沼環境税による経営集約化に取り組む事業体が実施する再造林等について必要額を確保した。

 県単分は235億を配分。関東・東北豪雨災害を踏まえた防災・減災対策事業、道路・堤防等の除草や修繕、地域活性化のための渋滞対策の拡充などにより、前年度から28億円増となった。

 当日の会見で大井川知事は、県単の伸びについて、「もっと県道の除草をしてほしいという声が多かった。今までの刈り幅(50㎝)では不十分なので70㎝にする。必要性のあるものにはしっかり予算を付ける」と話した。

 主な事業では、緊急輸送対策強化の復興関連道路に184億1600万円、橋梁の耐震化(1カ所)に3億7700万円を配分。また国直轄事業で茨城港・鹿島港の防波堤などを整備する。

 防災・減災対策事業では、冠水対策4カ所、急傾斜地崩壊防止対策13カ所を計画。維持・管理対策事業としては道路除草2370㎞、堤防除草1900㎞、都市公園施設修繕4カ所を進める。通学路等安全対策事業は、歩道整備等23カ所、路面標示等72カ所を事業箇所としている。

 地域活性化対策事業としては、渋滞箇所の交差点改良(4カ所)やつくば霞ヶ浦りんりんロード関連道路等の整備に9億4100万円を設定。橋梁22カ所および下水道管渠1カ所の補修を行う長寿命化対策事業には6億5100万円を配分した。

 県営体育施設再編整備には17億5100万円。笠松運動公園で防犯カメラ整備やトイレ洋式化を実施するほか、堀原運動公園で武道館外壁塗装、弓道場遠的射場防矢ネット整備、ライフル射撃場で射場空調整備、県体育協会会館のあり方検討のための調査などを行う。

 新規のアクアワールドのリニューアル事業では、18年度にタッチングプール等整備を進めるほか、本リニューアルに向けた計画策定・実施設計、イルカ繁殖用プール整備に向けた基本設計・実施設計を行う。

 あすなろの郷については、施設の機能・設備の整理を進め、民間活力の活用や地域移行等の促進を想定して建設計画などを作成する。建設計画をもとにした民間コンペも実施する。

 また、みんなに優しい学校施設づくり推進事業として、特別支援学校などの環境改善のため、トイレの洋式化や多目的トイレの設置に取り組む(設計7校、工事5校)。予算額は5400万円。計画期間は18~22年度。

 このほか、企業誘致活動強化事業に56億700万円を配分し、IoTなどの新たな成長分野の研究施設や本社機能の県内移転に対して支援を行う。宿泊施設立地促進事業には10億1400万円を設定。新たに県のフラッグシップとなり、観光イメージ向上に資するホテル等の誘致に取り組む。


 【写真=18年度当初予算案を説明する大井川知事、表=18年度公共事業費内訳】

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