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堀内衆院議員が建設業担い手不足危惧 予算委で質疑②

2018/03/06 山梨建設新聞

 -無電柱化推進について

 堀内詔子(のりこ)議員 2016年12月に無電柱化推進に関する法律が施行されたことを受け無電柱化推進計画の策定を進めていると聞いた。計画実施に当たっての国交省の意気込みを。

 高橋克法大臣政務官 同計画については本年2月19日より計画案のパブリックコメントを開始したところ。世界文化遺産周辺の、地区を代表する道路などにおいて重点的に推進していく。2018年度からの3年間で約1400㎞の無電柱化の着手を目標に掲げ、さまざまな施策に取り組む。  -市町村道の交通安全対策について

 堀内議員 地域の安心、安全のためには生活道路の交通安全対策についてもしっかりと取り組んでいかなければならない。市町村道は道路延長が長いが、効果的・効率的に対策を実施するための取り組みは。

 石川雄一道路局長 生活道路の安全対策については車両の速度抑制や通過交通の侵入抑制に向けた対策を実施している。具体的にはETCのビッグデータを基に調べた、速度超過や急ブレーキが発生する危険箇所についての情報提供。自動車の速度を低減するために車道に設置する構造物「ハンプ」の貸し出しなど。山梨県内では3つの地区に支援しており、このうち都留市では提供されたデータに基づきハンプ設置やカラー舗装などを行っているところ。

 -地元の建設業界の人材確保について 

 堀内議員 私の地元山梨では4年前に豪雪被害に遭い、陸の孤島と言われたことがあった。災害大国日本では、いざというときに地元建設業の力が大変大きい。しかし地方の建設業の高齢化が進むとともに若い人が入ってくれないと聞く。国交省では建設業の人材育成に向けどのような取り組みをしているのか。

 田村計(はかる)土地・建設産業局長 国交省では設計労務単価の設定などによる適切な賃金水準の確保や社会保険加入の促進、週休二日に向けたモデル工事の実施、女性も働きやすい現場環境の改善、施工時期の平準化に取り組んでいる。

 また今秋には技能労働者の就業履歴や保有資格を業界内で蓄積する「建設キャリアアップシステム」の運用が始まる予定。このシステムが技能労働者の適正な評価や処遇につながるよう、施策を進めていきたい。さらに働き方改革として、長時間労働の是正や週休二日確保に向け、昨年8月に適正な工期設定などのガイドラインを策定している。 -インフラの老朽化対策について

 堀内議員 山梨県には豊かな自然が多く中山間地に向かうにもいくつもの橋を渡っていく。その橋やトンネルの老朽化は喫緊の課題。インフラの点検や修繕など、老朽化対策は。

 由木文彦総合政策局長 インフラの維持・管理、更新は各施設の管理者自らが点検、診断を通じて施設の状態を把握し、必要な対策を講じ、これらの成果を次の取り組みに活用するといった、メンテナンスサイクルの構築が重要。国交省では点検や診断などに関するマニュアルを策定するとともに、直轄施設の点検・診断を行い個別施設ごとのメンテナンスサイクル計画を策定している。この取り組みは地方公共団体にも進めてもらっている。

 インフラの大部分を管理しているのは地方公共団体。そのため研修などの人的な支援、防災・安全交付金などによる財政支援を行っている。

 -インフラ整備について

 堀内議員 限られた予算の中で老朽化対策と新たなインフラ整備を両立させることについて、国交省の考えは。

 高橋克法大臣政務官 ご指摘の通り今後人口減少が進む中、道路などの社会資本整備は地域産業の生産性を向上させるものであり、地域活性化に重要な役割を果たすものと確信している。社会資本の維持・管理と整備をバランスよく進めることが必要だが、そのためには公共事業予算の安定的、持続的な確保が重要。厳しい財政状況ではあるが、引き続き必要な予算の確保に努めていく。


塩澤149行

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