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新年度で実施設計を/県病院局の県立佐原病院耐震改修/早期に委託業務発注/工事は19年度着工予定

2018/03/16 日刊建設タイムズ

 県病院局は、新年度で県立佐原病院耐震改修事業の実施設計を行う。県の当初予算に委託費5407万8000円を計上。新年度の早い時期に委託業務を発注する予定。委託方法は検討中。事業スケジュールは、2019年度に着工、19~20年度の2か年で建設し、20年度内の竣工を目指す。本年度は耐震改修に伴う病院運営影響等調査を実施しており、今月中に報告書が提出される。調査は病院システム(東京都豊島区目白2―16―19)が担当。

 県立佐原病院(香取市佐原イ2285)は1955年の開設以来、地域医療の中心的役割を担っているが、74年に竣工した本館は、耐震性の不足が指摘されるとともに、施設の老朽化などの課題を抱えている。

 耐震改修は耐震補強と老朽化対策を実施。工法については、本年度の調査の中で耐震補強概略計画を作成し、複数案を検討。新年度の設計の中で絞り込みを行う。

 本年度の調査では、①現況調査②耐震改修における課題抽出と耐震改修の方針案提示③耐震補強概略計画案の作成④耐震改修の工事施工中における運営計画案の作成⑤経営分析調査⑥老朽化対策⑦総合的評価及びまとめ――などを実施。佐原病院を取り巻く周辺状況の変化を踏まえ、運営・経営面への影響を精査するとともに、耐震改修が地域医療及び病院経営に与える影響を最小限に抑えることを前提とした改修計画を策定する。

 現況調査では、設計与条件に必要な耐震補強可能位置、室移転可能箇所等を把握。そのうえで、耐震改修工事施工中の制約その他諸条件を考慮し、課題を抽出。課題の解決に向けた耐震改修の方針案を提示する。また、耐震改修工事の施工中における施設利用者や診療への影響等を最小限に抑えることを前提とした耐震補強概略計画案を作成し、絞り込み(複数案)の条件整理及び提案を行う。

 絞り込んだ複数の耐震補強概略計画案の各案の具体的な工事手順を検討し、病院関係者と調整のうえ、耐震改修工事施工中の運営計画案を作成する。老朽化対策では耐震改修工事に加え、施設老朽化の対応を検討し、改善策を提示する。

 同病院の敷地面積は、道路を隔てた駐車場を除き1万4816・56㎡。建物は本館、南館、新館などで構成。本館は74年の竣工でRC造5階建て延べ5195・98㎡(建築面積1113・54㎡)。南館は85年の竣工でRC造3階建て延べ2341・78㎡(建築面積804・15㎡)。新館は96年の竣工でRC造5階建て延べ7535・43㎡(建築面積1433・11㎡)。ほかに、機械室、旧コバルト棟、高エネルギー棟、医局ラウンジ、手術棟など。病床数は一般237床、結核4床の合計241床で、現在、211床を運用している。

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