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情報通信設備協会関東地方本部埼玉県支部

情報通信設備協会県支部が超スマート社会実現に向けて全面協力

2018/03/20 埼玉建設新聞

 情報通信設備協会関東地方本部埼玉県支部(高瀬幸雄支部長)は、県が2018年度から本格的に動き出す西部地域への超スマート社会実現に向けて、全面的にバックアップする方針を打ち出した。同支部が提案を行い県及び対象の13市町が抱える課題のうち、IoTを活用すれば解決できる可能性があるものを洗い出し業務の改善につなげてもらう考え。

 県が目指している超スマート社会は、一企業の技術で可能なものではなく、各メーカーの技術の組み合わせから、最適なものを選ぶことが重要となる。このため各種メーカー集団の技術協力を得られる同協会であれば、バックアップが可能だ。高瀬支部長は「どういう形でお手伝いできるか、総力を挙げて対応していく。一企業だけでは対応できない。会員同士の組み合わせを考え、総合力を発揮して、県が進めるSociety5・0▼(※ワード)に協力していければと考えている」と話す。

 過去にも接点はあり、2009年に県で住民基本台帳ネットワークの導入が決まった際、同協会と県とでセキュリティーアドバイザー契約を締結。計5回の説明会を開催した経緯がある。

 県の現行計画は、自民党県議団が昨年提案した内容がベースとなっている。具体的には、農大跡地(鶴ヶ島市、約39・2ha)を核とし、周辺の13市町を含めた西部地域に成長産業を集積する。国が掲げる超スマート社会(Society5・0)を国内でいち早く実現させる構想となっている。

 先進技術のIoTを支えるインフラ通信網として、低消費電力で広範囲をカバーする無線通信網のLPWAを先行整備する。

 既にLPWAに取り組んでいるオープンウェーブ(横浜市)の尾鷲彰一社長は「今年に入ってからまとまった発注が出ている。今年はIoTの実用に向けて動いているという感触がある」と捉えている。

 IoTがこれからの自治体業務に活用できる範囲は広い。支部では県に業務改善事項を提案している。例えば企画財政部や産業労働部では市町村や産業を支援するプラットフォームの構築などが考えられる。同様に県土整備部では河川、道路、ポンプの監視なども挙げられる。

 西部地域に成長産業を集積させるという今回の県の大きな計画に対応できるよう、各業界が自発的に勉強を始めている。農大跡地への先端産業集積などをテーマにした説明会(1月25日、彩の国ビジネスアリーナで開催)には、関係者の予想を上回る180人が参加。関連する地域経済牽引事業計画策定に関する問い合わせは150件(2月末現在)寄せられている。また策定希望企業は34社(同)となっている。


W ワード

Society5・0

 狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く、5段階目の新たな社会を指す。具体的には①サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させることにより②地域などによる格差がなく、多様なニーズにきめ細かに対応したモノやサービスを提供することで③人々が快適な質の高い社会を送ることのできる人間中心の社会――を指す。



えとき

左から松岡技術委員長、高瀬支部長、尾鷲社長

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