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渚ビル団地解体へ9700万円/家畜糞尿流出 代執行で対策工事/6月補正案

2018/06/16 長野建設新聞

 県は15日、6月補正予算案の概要を発表した。松本市渚2丁目の国道143号沿いに建つ「県営住宅渚ビル団地」の解体工事に9791万2000円を計上。立科町芦田で発生した家畜ふん尿流出事案にかかわる工事費として、来年度の債務負担行為を含め7897万1000円も確保した。代執行により対策を行う。

 県営住宅渚ビル団地は県営住宅と商業スペースを併設したビルとして1963年に建設。構造・規模はRC造5階建て、延べ約1800㎡。築後55年が経ち、耐震性も低いことから解体撤去する。予算可決後、速やかに発注手続きに入り、本年度内に工事を完了する。設計は2016年度に環境プランニング(飯田市)が策定した。

 県は本年8月をめどに、建築物の解体工事において総合評価落札方式(簡易型)を導入する方針で、今回の施工者選定に当たり同方式が採用されることも考えられる。なお、解体後の跡地約1200㎡の利活用策は今のところ未定。

 16年9月に立科町芦田で発生した家畜ふん尿流実事案の対策工事では、保管施設からの再度の流出を防止するため、盛土による堤体工(L74m)と排水対策の水路工(L195.9m)を代執行で実施する。標準工期は約9カ月を見込んでおり、来年の夏前には工事が完了する見通し。

 予算額は歳出予算で3948万5000円、19年度の債務負担行為で3948万6000円。内訳は工事費が7521万1000円、施工監理委託料が376万円。設計は協同測量社(長野市)が担当した。

 また、信州まつもと空港の駐車場が慢性的に不足していることから、増設を計画。今回の予算で用地測量費等約1900万円を計上した。増設予定地は空港東側の民有地6000㎡強。今後の用地取得に向けた調査を行う。

 なお、空港周辺の公園「信州スカイパーク」では、来年4月25日~6月16日にかけて国内最大級の花とみどりのイベント「第36回全国都市緑化フェア(信州花フェスタ2019)」が開催される。多数の空港利用者が見込まれることから、本整備に先立ち、増設予定地を仮設駐車場として暫定的に整備することも考えている。

 その他、市町村等が行う水道施設耐震化および広域化の費用助成に9709万1000円、伊那市が実施するドローンによる森林情報の収集・解析モデル事業の補助金に625万円(補助率10分の10)、ストーカー事案緊急対策事業としてカメラシステム(4式)およびGPS機能付き緊急通報装置(15台)の整備に695万8000円を計上した。

 全体の補正予算額は3億7297万9000円。また、債務負担行為で30億8772万3000円(うち消防防災ヘリコプター購入に30億4823万7000円)を設定している。予算案を審議する定例議会は21日から始まる。

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