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長野県土木施工管理技士会

新会長に野島氏/技術者の原点に立ち資質向上/通常総会

2018/06/23 長野建設新聞

 県土木施工管理技士会(牛越恵司会長)は21日、第34回通常総会を長野市のホテル国際21で開き、任期満了に伴う役員改選で新会長に野島登氏(野島建設)を選出した。副会長は栁沢昌美氏(東部開発)が再任、窪田利行氏(相模組)が新任された。野島新会長は「非常に身の引き締まる思い。技士会の品位と社会的地位の向上を図るため、専門知識や能力習得の機会づくりに努めたい。技術者の原点に立ち資質を向上し、企業体質の改善にも努力していく」と抱負を述べた。

 少子高齢化や担い手不足により技術の伝承が大きな問題となる中、技術者集団である技士会の重要性はより一層増している。総会冒頭のあいさつで牛越会長は「県ならびに会員各位の協力により、昨年度は技術者セミナーを計119回開催し、延べ750人に参加していただいた」と報告。公共事業の必要性や、災害時における建設業の役割を述べた上で「技士会の目的は2つ。1つは土木技術者の地位向上、第2に施工管理技術の向上。社会的使命を認識し、会員一同で重責を果たそう」と呼び掛けた。

 技士会の発展に寄与した技術者の功績をたたえる建設技術者表彰では、全国土木施工管理技士会連合会長表彰で8人、土木施工管理技術論文・技術報告表彰で3人、県土木施工管理技士会長表彰で22人が栄誉に浴し、牛越会長から表彰状が授与された。受賞者を代表して謝辞に立った大沢謙一氏(名工土木)は「受賞は発注官庁や県建設業協会、技士会の皆さまのご支援のたまもの。表彰の名に恥じぬよう、さらなる土木施工管理技術の実践と技術習得に励み、社会基盤整備の充実と品質の向上に努める所存」と一層の精進を誓った。

 会合には国・県、県建設業協会など来賓が多数出席。祝辞では異口同音に社会資本整備の必要性と、これを担う技術者への期待の言葉が聞かれた。県建設業協会の木下修会長は「建設業協会と技士会は表裏一体。共に同じ課題に取り組み、前進していくことが大切。管理技術の向上は、現場の第一線で頑張る技術者の皆さんに頼るところが大きい。IT、AIなどの新技術の取り組みもしかり。建設業協会は、野島新会長としっかりと手を携え、皆さんをバックアップしていくことを約束する」とエールを送った。


■牛越会長勇退「団結し県土守って」

 4期8年にわたり重責を担った牛越会長は退任あいさつで「一方を向けば、皆が同じ方向を向いてくれる。セミナーを開けば多数が参加してくれる。長野県の技術者は勉強熱心であり、技士会の会員数も全国1、2を争う規模。とても良い方向に向かっていると思う。これからも大いに勉強し、また、災害が起こった時には一致団結して県土を守ってほしい」と述べ、「『安全で・良質で・早く・しかも経済的に』という目標に向かい、野島新会長のもと、技士会をさらに発展させていってほしい」と締め括った。


■仁科氏(傳刀組)が技術発表

 総会後には会員の技術発表が行われ、傳刀組の仁科行博氏が、国土交通省松本砂防事務所発注の「篭川第1砂防堰堤改築その5工事」における安全対策を紹介。さまざまな場面でのUAVの活用、地山状況の確認を容易にするための透明ポリエチレンシートを用いた養生、後方視界サポートシステム搭載のバックホウの使用などにより、砂防堰堤特有の「河川狭小部で高低差のある現場条件」におけるリスク低減に努め、無事故・無災害で完成させたことたことを披露した。

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