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全国道路標識・標示業埼玉県協会

県内初、子どもを守ろうプロジェクト

2018/07/02 埼玉建設新聞

 全国道路標識・標示業埼玉県協会(中村幸満会長)は6月27日、県内初の『子どもを守ろうプロジェクト』活動を、上尾市立中央小学校(同市上町)の正門前道路で実施した。上尾市長や市議会議員らが駆け付ける中、『飛び出し注意』と書かれたシートを児童らと一緒に貼り付けたほか、通学路を明示する溶融噴射式カラー塗装のグリーンベルト(ミストグリップ)などを整備し、安全意識の高揚を図った。

 全校生徒を前に校庭で行われた朝礼では、三角正敏校長が「今回の取り組みは、埼玉では初めてのことと聞いております。皆さんはきょうまで645日の間、事故無く過ごしております。それもこうした地域の方々に支えられてのこと。グリーンベルトは車を運転する人の注意喚起でもありますが、これがあるからといって事故が起こらないとは限りません。自分の身は自分で守ることを今後も続けていただきたい」とあいさつ。

 続いて畠山稔市長が「全国にわたって協会にこのような取り組みを行っていただいておりますが、埼玉県では中央小学校が第1号ということで嬉しく思います。市も交通事故の防止に関する要望が数多く出ておりますが緊急性や重要性を考え順に行っております。このグリーンベルトをきっかけとして交通事故に対する意識を高めてください」と協会の好意に感謝するとともに、生徒が事故に遭わないよう祈念した。

 続いて正門前で着工式が執り行われ、市教育委員会の池野和己教育長は「今回の工事によって中央小学校の児童はもとより生活道路として利用されている上尾市民にとっても一層の交通安全の確保ができます。きょうの下校時には、もうグリーンベルトが出来ていると思います。これを機に安全意識を高めてください。また関係者の皆さまにはたいへん温かい志をいただきました。市教育委員会としても、これを33校全体に広めてまいりたいと思います」と述べた。

 来賓紹介の後、中村会長は「子どもを守ろうプロジェクトは、子ども達を事故や犯罪から守ろうというのが趣旨。そういった意味でも本日着工できることを嬉しく思います」と述べた後、5~6年生の代表児童6人らに作業手順を説明。

 代表児童や市長、教育長、協会関係者が正門前に集まり『飛び出し注意』などと書かれた貼付シートをゴムハンマーで転圧。続いて『子どもを守ろうプロジェクト』の横断幕を広げて記念撮影が行われた。

 その後、協会員により総延長237mにわたってグリーンベルトが整備されたほか、ソリッドシートの貼付、また『一列で歩きましょう』と書かれた路面シートが全国に先駆けて貼り付けられた。

 子どもを守ろうプロジェクトは、学童を危険な交通事故から守るため、学校、PTA、自治体、道路管理者、警察などと連携の下、交通安全施設を設置する取り組み。2006年度に愛知県協会が始め、今では全国規模の活動として展開されている。

 県協会では昨年にワーキンググループを発足。同年6月2日に施工内容について検討を開始するなど計5回会合を開催。うち3回は関係者との合同会議で意見を交え万全を期した。またこの間に広島県で開かれた第9回全国大会に参加。提案している内容や学校、警察などと協議を重ねている状況を報告した。

 中村会長は「皆様のご理解のおかげで県内初のプロジェクトを実施することができました。今後も危険な通学路があれば、関係者の理解の下、年1回のペースで実施していきたいと考えております」と述べている。

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