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長野県松本市

基幹博物館は城内三の丸の風格

2018/07/27 長野建設新聞

基幹博物館整備で松本市は、基本設計案をまとめた。パブリックコメントを経て、その後は実施設計へ移る。また、設計内容の変更により期間が7カ月延長となったことに伴う変更契約費について9月補正で予算計上する考えだ。

同博物館は、現在地の国史跡松本城の中から、南側の同市大手3丁目2-27の市営松本城大手門駐車場北側敷地4115㎡に移転新築するもの。建物はRC(一部S)造地上3階建て、建築面積3200㎡、延床面得8150㎡。設計は久米設計・伊藤建築設計事務所・乃村工藝社による共同企業体が担当。プロポーザルでは「松本城下町の街並みに一番マッチしている」と高く評価され選定されたことから、設計案でも城内三の丸にふさわしい風格を表現する博物館となっている。かつて城内の武家屋敷だった敷地に建設することから切妻屋根をもつ建築デザインとする。一階は市民の交流と活動のためのオープンな空間、2階は多彩な企画を実現する特別展示室、3階は松本学を深める常設展示室とする。1階は仕切りを極力なくし、2階と3階は無柱空間とするなどシンプルで明快な施設構成としている。

当初は本年度に実施設計を行い、2019年度から2カ年で工事を進める予定でいたが、設計の委託契約期間を本年12月28日までから来年7月31日までと7ヵ月延長、着工も1年先送りした。設計延長の理由は建設予定地の拡張により大名町通り側の間口が広がったことから、吹き抜け部分を拡げ、大名町通り側の1階に玄関、2階に図書・情報室を新たに配置する設計としたことで、この吹き抜け部分の避難安全対策に、避難安全検証法の大臣認定取得する期間におよそ7カ月が必要となったこと。さらに松本城大手門駐車場北棟の基礎、杭や敷地境界の万年堀解体についての設計も追加する。こうした追加経費は9月の補正予算で対応する考えだ。また、建築工事の着手が1年先送りになることから、工事費の積算について再度見積もりを行い、新たな公共建築工事標準単価による積算や消費税増税に伴う積算を行う。

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