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新たな水力発電所整備/年度内に候補地選定/市町村からも募集

2018/08/08 長野建設新聞

 新たな水力発電所の整備を推進するため県は6日、開発可能な場所を発掘する関係部局横断の会議「新規電源開発地点発掘プロジェクト推進会議」を発足した。現行の固定価格買取制度(FIT)を活用した新規発電所の整備を目標とし、本年度内に開発候補地点を決定する。

 企業局は現在、県内16カ所で水力発電所を運営しているほか、横川、箕輪、片桐の3ダムにおいて新規の水力発電所整備を、また既存の西天竜発電所で大規模改修を実施している。さらに今後、美和(出力1万2000m3、1958年建設)、春近(出力2万3600m3、58年建設)、与田切(出力6300m3、86年建設)の3発電所の大規模改修も予定している。

 会議の冒頭、小林透公営企業管理者は「県の強みを最大限生かせる水力発電により、再生可能エネルギーの供給拡大を図りたい。2020年度末にはFITの大幅な見直しが予定されていることから、同年度中にFIT申請できる状況まで持っていく必要がある。本プロジェクトを呼び水として民間開発の活性化も目指したい」と述べた。

 新たな水力発電所の開発場所の目安は「最大電力100kW以上が見込める水量と落差を有する」「水利権取得のめどが得られる」「地元の理解を得られる」-の3点。候補地点を会議構成部局を挙げて発掘するとともに、市町村からも募集する。既存の治水ダムの活用に加え、砂防ダムなども含め幅広に検討する。

 今後のスケジュールは、9月にかけて開発地点候補の探索・募集を実施。10月に企業局職員による現場調査、11~12月に地元調整を行い、来年1~2月の2次調査(流量データ等の整理、事業性の精査)を経て、3月に開発候補地点を決定する。その後、19~20年度にかけて概略調査、仕様書作成、工事発注と進め、20年度内のFIT認定を目指す。

 なお、企業局では湯の瀬ダム(長野市)、与田切川(飯島町)上流、湯川ダム(御代田町)において水力発電の事業性評価調査を実施または実施予定で、この3カ所も今回の開発地点候補に含めて検討していく。

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