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建設業労働災害防止協会千葉県支部

みんなで「働き方改革」/こころとからだの健康/全国労働衛生週間に向けて/建災防京葉分会が事前説明会

2018/09/25 日刊建設タイムズ

 10月1日からの「2018年度全国労働衛生週間」に向けて、建災防千葉県支部京葉分会(石神信夫分会長)は今月13日、市川市内の京葉建設会館で実施要領事前説明会を開いた。同説明会では、船橋労働基準監督署の小菅拓也副署長のあいさつをはじめ、市川市医師会で秀栄クリニックの岩澤秀明院長を講師に招いて、「慢性腎臓病を知っていますか?~糖尿病性腎症を中心に~」をテーマとした特別講演のほか、船橋労基署安全衛生課の石井孝雄課長による「全国労働衛生週間実施要領の説明」で構成。同事前説明会には、会員34人が出席した。


 ◆「慢性腎臓病」で特別講演


 全国労働衛生週間は、「すべての働く人たちが快適な毎日を過ごす」ことを目指して行われるもので、1950年の第1回以来、本年で69回目を数える。今回のスローガンは「こころとからだの健康づくり みんなで進める働き方改革」

 主催者を代表して、京葉分会の駒田浩治副分会長は、この日の特別講演のテーマである『慢性腎臓病』について「腎臓とは『肝腎かなめの臓器』と言われ、生きて行くうえで大変重要な役目を果たしていると聞く。しかし、詳しくは知らないので、興味深く講演を聴かせて頂きたい」とあいさつ。

 引き続き、来賓の小菅・船橋労基署副署長は、今回のスローガンにもある「働き方改革」に言及。終始、その背景や対応、取り組み方などについて説明し、来年4月の施行に向けての心構えや準備を呼びかけた。


 ◆生活習慣を改善/大変重要なこと


 「慢性腎臓病」をテーマとする特別講演で岩澤講師は、慢性腎臓病と生活習慣病との深い関係について「慢性腎臓病には、慢性糸球体腎炎などの腎臓そのものが悪くなる場合と、糖尿病や高血圧から腎臓が悪くなる場合がある」と指摘。糖尿病や高血圧を抑えることで、腎臓病を予防したり、その進行を遅らせたりすることが出来るので「生活習慣を改善することは、大変重要なことだ」と訴えた。

 ちなみに、慢性腎臓病(CKD)とは「様々な原因で腎臓の働きが徐々に悪くなる病気」とのことで、日本人の成人25人に1人は、腎臓病の疑いがあると言われる。また、腎臓病は自覚症状が少ないため、気づかないまま病状が進んでしまうことが多いという。


 ◆健康の保持増進/職場環境の改善


 建設業労働災害防止協会の錢高一善会長は、全国労働衛生週間に向けてのメッセージの中で、本年度を初年度とする国の「第13次労働災害防止計画」とともに、建災防の「第8次建設業労働災害防止5か年計画」においても、過重労働による健康障害防止対策とメンタルヘルス対策を、重点課題として挙げたことに言及。

 メンタルヘルス対策については「生活に現れる不調を拾い上げることが有効」とし、建設現場においては、ストレスチェック制度に基づいた対応に加え、安全施工サイクルを活用した「建災防方式健康KYと無記名ストレスチェック」の実施に引き続き取り組むことで、「働く人々の健康の保持・増進、職場環境の改善に努めて頂きたい」と要請。

 一方、建設業において大きな課題である「石綿障害をはじめとした職業性疾病の減少」に向けては、本年度の「建設業労働災害防止対策実施要領」を参考に、実効性のある対策を呼びかけた。

 これらの状況を踏まえて錢高会長は、全国労働衛生週間について「作業者の心とからだの健康と快適な職場づくりの重要性を再認識する良い機会」とし、会員に対して「経営トップの明確な方針のもと、企業の実態に即した効果的な労働衛生対策を実践し、職場の労働衛生水準の向上に努めてほしい」と要請する。

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