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(社)長野県建設業協会

女性部会が松本で現場見学会

2018/10/24 長野建設新聞

長野県建設業協会女性部会(倉科里絵部会長)は22日、松本駅近くで工事の進む内環状南線中条2工区(施工=松本土建)と3工区(施工=藤澤組)で現場見学会を開き、女性部会員や建設会社で働く事務職の女性など、およそ80人が参加した。

開始に先立ち、松筑建設会館に集まった参加者を前に、長野県建設業協会女性部担当の清澤由幸副会長は「女性部会が発足して4年目になる。この間の取り組みの効果が表れ、『来年、女性を採用したい』『更衣室やトイレを女性が使用できるよう改修したい』といった問い合わせが協会本部や当社にも複数くるようになった。女性の入職や地位向上につながればと思ってきたが、いよいよそういう時代来た」と活動の成果を強調。これからも女性が活躍できる環境づくりを一緒にやっていこうと呼びかけた。続いて松本建設事務所の藤池弘所長は「私が40年程前にこの世界に入った時は女性技術者は珍しい存在だったが、こうした努力の甲斐があってだんだん増えてきた。それでも建設業で働く女性の割合は事務職を合わせた女性全体では12%、技術職で4%にとどまっている。働き方改革や若手入職者と言われるが、女性の働きやすい環境を整えることがすべての皆さんの環境を整えていくことになる」との考えを示し、皆さんが声をあげて女性が働きやすい環境にしてほしいと期待した。

倉科女性部会長は「女性部会の現場見学会も今回で4回目。建設業で働いてはいるが実際現場を見ることの少ない事務職の方にみてもらったり、自分が経験したことのない工種を実際に体感したり、他の会社の女性職員と知り合うことも目的の一つ。冬に開催する勉強会も合わせれば、そろそろ顔なじみも増えてきたのではないでしょうか。活動を通じて県内に点在する女性同士をつなぎ、ネットワークをつくり気軽に話す仲間ができ、女性が長く建設業で働くことを期待して、これからも活動を続けていきたい」と見学会の意義を強調。続けて「きょうの見学現場は土木工事の中でもなかなか珍しい都市土木。都市の構造を支えるインフラそのもので、都市生活に欠かせない非常に重要なもの。現場は交通量の多い駅周辺であることに加え鉄道の近接工事ということもあり、現場従事者のみならず第三者の安全や工程管理、現場管理のご苦労や都市部ならではのおもしろさなど、いろいろなお話しを直接聞ける機会。この機会にぜひ味わってほしい」と現場の見方を説明した。

その後、松本建設事務所整備課の馬場主任が現場見学先の事業内容や工事の説明行った後、工事を受注している松本土建の宮川工事長と藤澤組の牛丸課長補佐が現場の施工状況を説明した。現場で参加者から「工事でご苦労された点は」と質問が出されると「近接工事との調整が多く、苦労しています」と回答があった。最後に女性部会の小宮山副部会長は「印象に残ったのは現場に従事されている皆様の気持ちのよい挨拶や足元を綺麗にしていただいている部分で、整っているというのはすごくよいと思った。とても勉強になりました」と感謝の言葉を送った。

女性部会の活動としては本年度、県内2カ所で行われた一般女性向けの現場見学会に共催したほか、来年の2月には建設業で働く女性のための勉強会を松本市内で開く予定だ。


【写真=ドローンのカメラで記念撮影】

ドローンのカメラで記念撮影

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