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ごみ処理施設建設へ陳情書/県有地5万㎡譲渡を要望

2018/11/03 日本工業経済新聞(茨城版)

 2市によるごみ処理施設建設を目指す北茨城市(豊田稔市長)と高萩市(大部勝規市長)は2日、県県民生活環境部を訪れて齋藤章部長に陳情書を提出した。陳情の内容は廃棄物処理施設整備促進への特段の配慮と、両市境に県が所有する県有地(北茨城市小野矢指地内)約5万㎡の譲渡を要望するもの。国からの補助金を活用するためには2020年度までに施設を完成させる必要があることから、早期の回答を求めた。

 北茨城市で現在稼動している清掃センター(関本町関本中2047)は焼却処理能力が90t/24h×2炉。焼却施設は炉型式が准連続燃焼式、ガス冷却方法が水噴射式、炉運転方法が受け入れ供給・ピット&クレーン式、灰出し・ピット&クレーン式、通風・平衡通風方式。

 同施設は東日本大震災で発生した膨大な災害廃棄物を短時間で処理した上、稼動から39年が経過しており老朽化が顕著な状態。17~18年度には煙突(RC造59m)の修繕工事を荏原環境プラント㈱(東京都大田区)の施工で実施中。

 また焼却炉についても更新の必要性が指摘されており、パシフィックコンサルタンツ㈱(東京都千代田区)に委託して更新に向けた予備検討業務も進めてきた。

 一方の高萩市では自前のごみ処理施設を保有しておらず、民間業者へ委託して処理を行っている状態。

 このため両市では今後見込まれる人口減少社会の進展、施設の管理運営、建設コストなどの総合的観点から広域での廃棄物処理施設建設が望ましいと判断。検討の結果、両市の中間地点付近を最適地とした。両市が選定したのは北茨城市中郷町小野矢指959―1(A4万7441㎡)、同1113―11(A2325㎡)の山林で、延べ面積4万9766㎡の県有地。

 整備費については環境省の「循環型社会形成推進交付金」と復興庁における特定被災地で適用される「震災復興交付金」を活用。90%以上を賄う計画だ。

 具体的な規模については現段階では未定だが、1日当たりの処理量は80t程度を見込む。

 陳情書を受け取った齋藤部長は「要望は受け止めさせていただく。国への交付金についてはできることはしっかり協力させていただく。県地の譲渡についても検討していくが、両市におかれては境界に位置する市有地などで他に適地があるかどうかも考えていただきたい」と回答すると、豊田市長は「市有地についても当然検討を行ってきたが、われわれはこの土地が最適地であると考えている」と述べ、県有地を活用してのごみ処理施設整備に強い意欲を見せた。

 北茨城市生活環境課の担当者は「補助を受ける関係から早期に事業を完了させる必要があるため、遅くとも今月中に回答をいただきたい」と話した。

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