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【予定価格公表】25都県は事後公表に移行する予定無し

2018/11/06 本社配信

 国土交通省が下期ブロック監理課長等会議に先立ち行ったアンケート調査において、予定価格の全部または一部を事前公表している30都府県のうち、25都県は事前公表を切り替える予定が無いと回答したことが分かった。全件を事後公表へ移行予定が2県、事後公表の拡大を検討しているのが3府県だった。

 事後公表に移行する予定が無いと答えた団体では、移行しない理由として事務の効率化や中小規模の事業者の存在を挙げているが、「予定価格を探ろうとする不正行為等の防止のため」を理由とした団体が13団体で最も多かった。

 都道府県における不正な働きかけに対するマニュアル等の作成状況は、全件事後公表団体では作成済みが13団体、未作成が4団体、一部事前公表団体では作成済みが12団体、未作成が4団体(うち1団体は作成予定)、全件事前公表団体では作成済みが5団体、未作成が9団体となっている。

 予定価格を事前公表し、かつマニュアル未作成の団体は理由について「職員研修の実施によりコンプライアンスの徹底を行っている」「積算システムで予定価格の算出を入札後にしている」「全部事前公表することで不正な働きかけが起きないようにしている」「予定価格、最低制限価格・低入札調査基準価格の算定方法を公表しているため、不正な働きかけは無いと判断」と説明している。

 また外部からの不正な働きかけ防止への具体的な対策では、官製談合防止講習会の開催や工、事執行の決裁の際に添付する書類を必要最小限とし決裁者が調査基準価格・最低制限価格を知ることが無いようにしている例などがある。

     ◇

 関東甲信越1都9県の取り組み状況は次の通り。※①予定価格公表時期②事後公表への移行予定③不正な働きかけに対するマニュアル作成

▽茨城県=①全件事前公表②予定無し③作成済み

▽栃木県=①一部事前公表②予定無し③作成済み

▽群馬県=①全件事後公表②-③作成済み

▽埼玉県=①一部事前公表②予定無し③作成済み

▽千葉県=①一部事前公表②事後公表の拡大を検討③作成予定あり

▽東京都=①一部事前公表②予定無し③作成済み

▽神奈川県=①全件事後公表②-③作成予定無し

▽山梨県=①一部事前公表②予定無し③作成済み

▽長野県=①全件事後公表②-③作成済み

▽新潟県=①全件事後公表②-③作成予定無し

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