建設業労働災害防止協会木曽分会(加藤晋悟分会長)は12日、土砂崩壊災害防止対策研究会を開き、南木曽町の額付本谷復旧治山工事、大桑村の下在蛇抜沢砂防施設と大桑橋橋梁整備の3現場で調査を行った。
当日は木曽分会から加藤分会長ら役員や安全指導員、松本労働基準監督署の久保大労働基準監督官、さらに木曽森林管理署や多治見砂防国道事務所からも参加した。
木曽建設会館に集合した参加者を前に加藤分会長は「良い点は吸収し、悪い点があれば現場でしっかりと指摘して、それぞれ各社に持ち帰って徹底してほしい」と呼びかけた。今回の調査現場は南木曽町内の額付本谷(ヌスビト沢)復旧治山工事(施工=大宗土建)、大桑村内の木曽川水系下在蛇抜沢砂防施設工事(施工=奥田工業)と大桑橋橋梁整備工事(施工=吉川・奥田JV)の3現場。
終了後、木曽建設会館にもどり開かれた研究会議では活発な討議が行われた。安全指導員からは「3つの現場とも整理整頓が行き届いていた。KYやリスクアセスメント活動をしっかりと行っていただき、無事故で竣工してほしい」と評価。多治見砂防事務所上松出張所の澤田宗也所長は「こうした取り組みが各社で広がっていけばいい」と期待した。総括として松本労基署の久保監督官は「自主的なパトロールや意見交換が災害防止には有効だ。各現場とも法令順守されていた」と評価した後、今月8日に同労基署長から木曽分会長宛に出された労働災害による死傷者数の大幅増加に伴う緊急要請に触れ、「松本労基署管内における9月末現在の休業4日以上の建設業の死傷者数は38人と、前年同期比で20人増加し111%となっていたが、10月末現在では44件発生し同期比25件増と、9月末よりも増加幅が広がった」と懸念を示し、基本的な安全対策の徹底など一層の労災防止対策を求めた。
【写真=大桑橋橋梁整備工事現場の調査風景】