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4.6%増1057億円を要求/補助公共20億円増、県単は前年並み/19年度当初予算

2018/12/21 長野建設新聞

 県は19日、2019年度当初予算の各部局からの要求概要を発表した。一般会計の要求総額は8718億8700万円で、18年度当初予算対比3.0%増。このうち建設部の要求額は1057億3500万円で、補助公共事業費や災害復旧費の増加により4.6%増となった。今後、総務部長調整や知事査定を経て、予算案は2月上旬に決定する。

 部局別の増減を見ると危機管理部が被災者生活再建支援基金拠出などにより77.5%増、企画振興部が参議院議員通常選挙や県議会議員選挙費などにより18.9%増、観光部が(仮称)営業本部設置事業などにより18.9%増、林務部が新たな森林管理システムへの対応などで11.9%増。一方、産業労働部と農政部は0.3%減。

 建設部の18年度当初予算額は1010億5100万円で、12年度以来6年ぶりに1000億円を超えた。要求時の額は1030億2900万円で、要求額ベースの比較では2.6%増となる。

 19年度要求額を区分別に見ると補助公共事業が524億6900万円で4.1%増、県単独公共事業費が162億4100万円で0.2%増、災害復旧費が46億5800万円で15.7%増、直轄事業負担金が138億5100万円で2.1%増。

 補助公共事業の所管課別内訳は道路管理課が110億5000万円、道路建設課が186億4300万円、河川課が44億3600万円、砂防課が124億8000万円、都市・まちづくり課が58億5800万円。県単独公共事業は道路管理課が92億300万円、道路建設課が38億3800万円、河川課が20億円、砂防課が4億7300万円、都市・まちづくり課が7億2400万円。

 主な事業を見ると、砂防課は「土石流発生時の流木対策推進事業」に予算55億6900万円と債務負担行為45億5500万円を要求。11施設の着手を見込む。また「要配慮者利用施設・避難所を守る土砂災害対策事業」には予算11億2200万円と債務負担行為7億4000万円。土砂災害対策特別警戒区域内に指定された避難所の保全対策13カ所、土砂災害警戒区域内の木造平屋建ての児童・老人福祉関係施設の保全対策4カ所への着手などを予定する。

 河川課は「大洪水対策推進事業」に予算3億9100万円と債務負担行為1億2000万円。5圏域の河川整備計画作成、2ダムの再生計画作成、2河川の浸水想定区域図作成、50基の危機管理型水位計の設置を予定する。また「河川環境整備事業」に予算2億6400万円と債務負担行為2億1000万円。諏訪湖の水質改善や湖面の利活用を図るため、防災船着き場の護岸整備1カ所、水草除去510t、環境調査、覆砂などを計画している。

 施設課は「公共施設耐震対策事業」に21億5900万円。飯山庁舎や佐久建設事務所など17棟の耐震診断、職員宿舎など4棟の設計、中野警察署や安曇野庁舎など28棟の工事を予定する。

 建築住宅課公営住宅室は「県営住宅『5R』プロジェクト推進事業」に予算22億9100万円と債務負担行為3億2000万円。老朽化した中高層住宅のリノベーション6戸、入浴設備設置270戸、低層住宅の全面リニューアル10戸、建て替え45戸、集約・移転170戸、除却131戸を予定。伊那市西箕輪の大萱団地建て替えへの着手などが見込まれる。

 道路管理課は新規の「サイクリングパラダイスNAGANO構築事業」に3億2200万円。自転車通行空間の整備として諏訪湖周や千曲川サイクリングロード整備、あづみ野やまびこ自転車道のリニューアル、北アルプスや飯山地域の自転車モデルルートの整備などを計画している。

 都市・まちづくり課は信州地域デザインセンターの設置運営等に4700万円。県は本年度、市町村が行うまちづくりを支援するため都市再生機構と連携協定を締結しており、いよいよ具体的な支援作業が始まる。市町村からの支援依頼は複数あり、この中から6件程度の支援を行う予定。

 また、建設政策課技術管理室は新規の「建設産業の次世代を担う人づくり推進事業」に238万円。産学官連携により人材の育成確保を推進する。事業内容は建設系学科高校生等が測量・設計・工事のプロセスを自ら実践できる学びのフィールドの提供、資格取得を支援するための試験準備講座の実施。

 なお、19年度予算編成に当たり新たに創設した「部局長裁量経費」については予算案の最終発表の段階で公表される。

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