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複数年継続 全体の8割超実施/除雪一体化は新たに7工区で/県道路維持補修の民間委託

2019/01/18 長野建設新聞

 県が「県管理道路維持補修業務の民間委託」で2019年度から試行する複数年継続委託の実施工区数が79工区に上ることが分かった。初年度は建設事務所ごと1工区以上試行する目標を掲げていたが、各建設事務所とも地域の状況を踏まえつつ積極的に採用を決め、募集工区全体の8割以上で運用するはこびとなった。除雪を一体化する取り組みも新たに7工区で実施する。公募公告は各建設事務所とも2月上旬に予定している。

 現行の道路維持補修業務の民間委託は年度ごとに契約している。複数年継続委託を導入することにより、受発注者双方の契約手続きや書類の簡素化はもちろん、受注者側の業務に係る中長期的な技術者の育成や機械化による生産性向上への投資など、計画的な体制の改善が期待されている。

 複数年継続委託の契約方式はこれまで同様、入札参加者の施工体制を評価し委託者を決める「施工体制確認型契約方式」。委託期間は3年間で、基本協定を締結したうえ契約は年度ごとに行う。発注機関は年度単位で実施状況を評価。結果は数値化し100点満点中70点以上なら次年度の契約を更新、60点以上70点未満の場合は改善策を求め、60点未満の場合は基本協定を解除し、契約を更新しない。評価結果は各年度12月上旬に通知する。

 19年度の全体の募集工区数は前年度と同数の97工区。このうち従来どおり単年度契約とするのは飯田建管内6工区、木曽建管内2工区、安曇野建管内2工区、長野建管内6工区、北信建設事務所飯山事務所管内2工区の計18工区。

 複数年継続委託を試行する79工区のうち10工区は対象業務に冬期の除雪業務も包含。18年度に除雪を一体化したのは須坂建管内2工区と安曇野建管内1工区の計3工区で、これに加え佐久建管内2工区、佐久建設事務所佐久北部事務所管内2工区、上田建管内2工区、諏訪建管内1工区の計7工区で新たに実施する。

 また、複数年継続委託の試行工区のうち3年間の予定価格が8000万円以上となるのは38工区ある。

 道路維持補修業務の民間委託は10年度に試行を開始し、14年度以降は県内全域で完全実施している。対象業務は維持作業(穴埋め舗装修繕、草刈り、支障木除去、側溝清掃など)や小規模補修工事(1工事200万円未満の崩落土や落石・倒木等の除去、災害時の応急措置など)等。前述のとおり一部工区では冬期の除雪業務も一体化している。

 対象工種が多岐にわたるため、経営規模が小さくても地域に根差した企業が参入できるよう、複数の構成員からなる特定JVでの参加も認めており、18年度分97工区は全てJVと契約している。

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