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長野県建設部

土工・舗装は全案件選択可/発注者指定型も開始/ICT活用工事4月から拡大

2019/03/02 長野建設新聞

 県建設部は、ICT技術を活用した施工の普及に向けて、ICT活用工事の適用範囲を拡大する。4月1日以降の公告案件から、土工と舗装工を含む全ての工事(災害復旧は除く)を「施工者希望型」のICT活用工事に指定。これまで実施した活用工事の知見を踏まえ、ICT技術の一部実施が可能な範囲も拡大する。さらにICT活用工事の実施を必須とし、必要経費を当初設計で計上する「発注者指定型」も開始する。

 県は2016年度から土工におけるICT活用工事の取り組みをスタート。18年10月からは舗装工での適用も開始した。本年度の実施件数(12月末現在)は土工14件、舗装工1件の計15件で、前年度に比べ着実に増加している。一方でICT活用工事として公告した案件(予定を含む)は58件あり、実施率は3割弱とまだまだ低い状況。

 建設部は、より実施しやすい環境を整えるため4月1日以降、同部が入札公告を行う土工(掘削、盛土、法面整形)または舗装工(路盤工)を含む全ての工事を施工者希望型のICT活用工事に指定。施工者希望型では、発注時は従来の土工または路盤工として積算し、契約後に受注者から希望があった場合、協議のうえ適用範囲を決め、実施した項目を変更対象とする。

 また、これまで実施した工事での知見を踏まえ、現場の生産性向上の効果があると認められる場合に限り、ICT技術の一部実施が可能な範囲を拡大する。例えば、河床整備において起工測量、設計、出来形管理は3次元で実施し、施工は通常建機で行うケースや、土工とアンカーを併せて施工する工事において3次元データを基にICT建機で施工を行うが、出来形管理は通常の管理とするケースなどを想定している。

 発注者指定型のICT活用工事については、本年度のICT活用工事の実施状況を踏まえ、特に効果が見込まれる工事を抽出し、一定数実施する。


■MC技術活用で上乗せ加点

 工事成績での加点も見直す。現行は実施方針に示す5つのプロセス全てでICT技術を活用した場合に1.6点、一部活用で0.8点を加点しているが、新年度からは前記に加えマシンコントロール(MC)技術を活用した場合、加点の上乗せを検討している。

 将来的にはICT活用工事の実施実績を総合評価落札方式で評価することも考えているが、これについては十分な周知期間も必要なことから、実施は早くても20年度以降となるもようだ。


■3次元測量・設計も実施方針策定へ

 一方、業務における3次元測量・設計の取り組みも加速する。UAV等による公共測量、土工の3次元設計などについて実施方針を示し、測量・設計段階からICT技術を活用する業務の推進を図る。なお、「UAV等を用いた公共測量」については、昨年10月に標準歩掛を設定している。

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