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40周年記念誌を作成/県内全域の新旧地質図対比/県地質ボーリング業協会

2019/03/27 長野建設新聞

 県地質ボーリング業協会(美谷島寿一会長)は、創立40周年記念事業として「長野県デジタル地質図2015 新旧対比図幅集成」を作成した。既存の地質図と、2015年に発刊された「長野県デジタル地質図2015」のデジタル情報とを紙面上で対比させたもので、成果が一目で分かり、活用しやすくまとめている。県や研究機関、国の県内現地機関などに寄贈する予定。

 25日には美谷島会長をはじめ協会幹部が県庁を訪れ、太田寛副知事に記念誌を手渡した。

 美谷島会長は「『長野県デジタル地質図2015』を、より分かりやすく、使いやすくするため、創立40周年記念誌として発刊した。当協会は、地質調査業務を通じて県民の安全・安心の確保や県土の開発・保全という社会的使命を担っている。近年、激甚な災害が多発し、防災・減災対策の推進、社会資本整備、さらには土地利用などの基盤となる地形や地質の成り立ちに対する県民の関心が高まっている。県内の公共事業担当機関や大学等研究機関の皆さまに業務・研究の資料として活用していただきたい」と趣意を説明。

 太田副知事は「建設部にとって非常に大切な資料。完成までには大変なご苦労があったと思う。十分に活用してまいりたい」と謝意を表すとともに、「3カ年緊急対策により、防災・減災に対し近年ではまれに見る大きな予算が付いている。皆さんと一緒に県土強靭化に向けて全力を尽くしてまいりたい」と述べた。

 「長野県デジタル地質図2015」は、県全域を対象にオリジナルの統一地質凡例と最新の研究データを基に、縮尺5万分の1の精度でまとめられたシームレスデジタル地質図。長野県地質図作成委員会が10年かけて作成した。当日は委員長を務めた原山智・信州大学名誉教授と、作成に携わった富樫均・県環境保全研究所専門研究員も同席。原山氏は「電子媒体として提供しているデジタル地質図の特徴をつかむためにも、新旧を対比できる書籍が発刊されたことは大変意義がある」と喜び、富樫氏は「デジタル地質図と記念誌をもって、長野県の地質研究の百年の蓄積が一目で分かる」と感慨深く話した。

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