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【社会保険・処遇改善】技能者の能力評価基準は整備加速

2019/05/16 本社配信

 国土交通省は、15日に建設業および建設業関係団体、行政関係機関などで構成する第2回建設業社会保険推進・処遇改善連絡協議会を開き、4つの重点課題に取り組む方針を示した上で、行政・業界が一体となった対策の推進に協力を求めた。本年度は市区町村や民間発注工事での法定福利費内訳明示の徹底、一人親方化の抑制対策、建設技能者の能力評価基準の整備加速化、国内人材の処遇改善などを進めていく。

 注目は「建設キャリアアップシステム普及促進や建退共加入促進による技能者の処遇改善」で、建設技能者の能力評価基準の策定主体である登録基幹技能者講習実施機関(現在は33職種・42団体)について、本年度中に能力評価基準案を取りまとめ、国土交通大臣への申請完了と来年度から4種類のカード交付の原則化を目指す。さらにカードリーダー設置のための補助金や、その他の支援措置を活用したシステムの普及促進、建退共制度の加入拡大による建設技能者の処遇改善も図る。

 「見積り・契約各段階での法定福利費等の内訳明示の徹底・促進」では、公共・民間工事における受発注者間・元下間の各段階で、法定福利費が内訳明示された見積書、請負代金内訳書の活用を徹底・促進する。特に活用が遅れている市区町村発注工事や民間発注工事、元下・下下間への対策を行う。また公共工事において法定福利費内訳明示の数値目標・目標年度を設定するとともに、公共事業労務費調査の中で内訳明示の実施状況を確認する見通しだ。

 「社保加入や働き方改革規制逃れを目的とした一人親方化の抑制対策」では、偽装請負が疑われる一人親方を使用する企業に対する実効性のある対策検討に着手する。加えて制度検討が進む「専門工事企業の施工能力の見える化」において社員の社会保険加入や技能者の自社雇用、教育・処遇改善に取り組む専門工事企業を積極的に評価し、「真面目に社員教育に取り組む企業が不利にならない」環境を確保する。

 「外国人受け入れ拡大を契機とした国内人材の処遇改善」では、国内人材確保の努力を行っていない企業に対し外国人材受け入れを認めない措置の徹底に加え、特定技能外国人の受け入れを契機として、国内人材に対する建設キャリアアップシステム加入と月給制等の処遇改善措置を促進する。


【写真=今後の重点的な取り組みを確認した】

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