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完全週休2日工事を拡大/災害に強い県土と活力生むインフラ/伊藤高土木部長インタビュー001

2019/05/22 日本工業経済新聞(茨城版)

 昨年11月、県は新たな総合計画を決定。大井川和彦知事のもと「新しい茨城」への挑戦が続いている。ことし4月には伊藤高氏が土木部長に就任。伊藤氏はスピード感を持って災害に強い県土づくりや活力を生むインフラの整備に取り組むとともに、完全週休2日制工事を大幅に拡大すると抱負。今後の展望や地元建設業が抱える担い手確保、入札制度などについて話を聞いた。

 ―就任の抱負をお願いします

 東日本大震災や関東・東北豪雨からの復旧・復興を加速させ、「災害に強い県土」と「活力を生むインフラ」の整備をスピード感を持って進める。

 近年は大規模自然災害が多発しており、これに対応するため、国と歩調を合わせて「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」に基づく重要インフラなどの機能維持対策を集中的に実施し、県民の安全安心の確保に取り組んでいきたい。

 人口減少・高齢化社会の進行により、今後はますます次世代への技術承継や担い手の確保・育成が大切になる。そのためには官民が連携し、若者や女性が希望を持って就業できるような環境づくりを進め、建設業がより魅力のある産業に成長していくことが重要。意欲ある建設業者の皆さまへの支援や、建設業の健全な発展に資する各種の施策を推進していく。

 ―特に重点的に取り組みたいことはありますか

 まずは職員のレベルアップ。広い視野で考える力を養いたい。業務をルーチンワークとしてではなく、それぞれの業務がなぜ必要なのかを考え、場合によっては取捨選択を行い、適切に業務が執行できるよう見直しを行いたい。

 ハード事業としては、偕楽園のさらなる魅力向上に注力する。四阿復元や休憩所設置(建物復元)などで歴史的空間を磨き上げるとともに、カフェやホテルの誘致など民間企業と連携して、本園部から拡張部へ利用者を惹き寄せる工夫をしていく。呈茶やオープンスペースを活用した利用促進イベントの実施も考えている。

 ビッグデータ解析を用いた道路の渋滞対策も進めたい。ひたち海浜公園や筑波山、笠間の陶炎祭など観光地では需要が増大しており、さらなる渋滞対策が必要なっている。国や関係機関などとも連携し、課題の解決につなげていく。

 ―主要事業への取り組みについては

 災害に強い県土づくりでは、緊急輸送対策強化事業として、国道245号那珂湊拡幅や国道354号土浦バイパスなど緊急輸送道路の整備や重要港湾の機能強化を推進する。直轄事業の鬼怒川緊急対策プロジェクトも非常に大切。防災・減災対策事業としては道路の落石・のり面対策、堆積土砂撤去、急傾斜地崩壊防止に取り組んでいく。

 活力を生むインフラと魅力あるみちづくりとしては、高速道路などの広域交通ネットワークの整備を推進する。2024年度までに4車線化される見通しの圏央道県内区間は、市町村と連携しながら早期の整備を関係機関に働き掛けていく。

 東関東自動車道水戸線は昨年2月に鉾田IC~茨城空港北IC区間が開通し、さらなる産業振興や地域の活性化が期待されている。未開通区間についても、1日も早く供用開始となるよう国に協力していく。

 このほか、高速道路ICアクセス道路の整備、通学路の安全対策、道路や橋梁、下水道管渠の長寿命化対策、道路や堤防の除草・修繕、河川の維持浚渫、都市公園の施設修繕などを着実に進める。


 【写真=インタビューに応じる伊藤部長】

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