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栃木県鹿沼市

鹿沼市新庁舎実施設計案、3棟延べ1万206平方m、総事業費59.9億 2022年度末の完成目指す、総

2019/07/13 日本工業経済新聞(栃木版)

 鹿沼市は、新庁舎整備事業(今宮町1688-1)の実施設計案をまとめた。新庁舎は①行政棟②議会棟③接続廊下-の3棟で構成し、総延べ床面積は1万205・88平方m。10月早々には総合評価落札方式による条件付き一般競争入札を公告し、約2カ月の技術審査期間を経て12月には落札者を選定。来年1月には臨時市議会を招集し、工事請負契約締結の承認を求める見通し。2022年度末の完成を目指し、総事業費59億9000万円が投じられる。

 主な入札参加資格は単体または複数の企業で構成するグループ。公告後は入札参加資格申請期間を3週間程度設け、その間に企業の質問を受け付ける。企業から寄せられた質問に回答し、技術提案書の提出を待つ。技術審査項目は9月上旬の選定委員会で決定する。

 企業の持つ技術力、市に対する独自の提案内容を多角的に判断し、新庁舎整備に最も適した落札者を絞り込む。新庁舎には鹿沼産木材を多用するため、これとは別に地元業者発注枠の設置を検討。地域経済活性化、地場産品の需要拡大、地元建設業者を活用する。

 コンセプトは「市民、文化、歴史を未来につなぐ まちづくりの拠点」。①機能性と効率性を重視したコンパクト化②市民の暮らしを守る防災拠点③環境配慮、ライフサイクルコストの追求③鹿沼産材を用いた「木のまち鹿沼」をアピール-できる庁舎とする。

 本庁舎と東館を合わせた敷地面積は9808・75平方m(本庁舎9054・42平方m、東館754・33平方m)。行政棟はS造6階建て延べ9264平方m、議会棟は木造2階建て延べ872・4平方m、接続廊下はS造2階建て延べ69・48平方m。

 公用車車庫は87・56平方m、守衛・倉庫は43・68平方m、来庁者駐輪場は25・01平方m、職員駐輪場は12・21平方m、ごみ保管庫は12平方m、バリアフリー駐車場は106・8平方m。全建物の合計は1万493・14平方m。

 総事業費内訳は新庁舎建設費(行政棟、議会棟、接続廊下)50億9000万円、旧庁舎解体費(本館、新館、東館)3億8000万円、外構費1億8000万円、諸経費(各種調査、設計監理、備品購入、引っ越し費)3億4000万円と試算した。

 準備工事(渡り廊下や車庫解体、外構撤去、オイルタンク新設)3カ月、第1期工事(行政棟Ⅰ期、議会棟建設)15カ月、旧庁舎解体工事5カ月、2期工事(行政棟Ⅱ期、接続廊下建設、外構Ⅰ)15カ月、外構工事(車庫・駐輪場建設、外構Ⅱ)4カ月を見込む。

 木のまち鹿沼を象徴する木質化部分は待合スペース天井(木ルーバー)、階段手摺り壁(木パネル)、2階待合と吹き抜けの間仕切り壁(木格子スクリーン)、庇下(木ルーバー)を検討。市議会の要望を踏まえ、地元業者への発注を考慮していく。

 本庁舎駐車場入り口付近に設置してあるATMは、12月で営業を終了した上で解体撤去。新庁舎完成後に庁舎1階にATMを設置することで金融機関と合意。2期工事期間中は市役所機能の一部を東京電力旧鹿沼事務所に移し、仮オフィスの賃借契約を結ぶ。

 窓口業務は1~2階、行政中枢機能を3階、まちづくり機能を4~5階に配置。新庁舎は3棟ともRC造杭基礎とし、重要度係数Ⅰ類を確保。行政棟と接続廊下の構造形式はラーメン構造。2棟ともS造地上部分のスラブ厚は150㎜。議会棟は杉材やヒノキ材を使用。

 電気設備は電力引き込み(1回線受電)、受変電設備(電気室屋内キュービクル1550kVA)、発電機設備(屋上屋外空冷型500kVA)、照明設備(LED照明、執務室照度750lx)、その他(直流電源、幹線動力、情報通信用配管、情報表示等)。

 機械設備は熱源機器(冷温水発生機、空冷ヒートポンプモジュラーチラー)、空気調和(地下水利用放射パネル、ファンコイルユニット、空冷ヒートポンプパッケージエアコン)、換気、排煙、自動制御、給水、排水、消火(消火栓、連結送水管)。

 実施設計は佐藤総合計画が9月末までに仕上げる。オフィスレイアウト設計は内田洋行(以上東京都)が担当している。

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