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栃木県足利市

足利市、市民会館用地を県に譲渡、統合高校の新校舎用地に

2019/08/22 日本工業経済新聞(栃木版)

 足利市は足利高校と足利女子高校の統合再編に伴い、市民会館敷地を県に譲渡する方針を決めた。県立高校再編計画では、新校舎を足利女子高敷地に建設することを明記。県内の普通高校では敷地が2・4haと最も狭く、市は市民会館敷地を新校舎建設用地に提供する。譲渡方法は県有地と市有地の等価交換方式とし、市民会館の解体撤去工事費は県が負担することで協議中。県の等価交換用地は、市民会館の解体撤去費を差し引いた額の敷地を選定する見込み。

 県教育委員会は2017年度、第2期県立高校再編計画(18~22年度の5カ年間)を策定。22年度に男女別学の足利高(本城1-1629)と足利女子高(有楽町836)を統合。1学年6学級程度の男女共学単位制普通高校に再編することを盛り込んだ。

 教室数不足を補うには新校舎整備が不可欠。新校舎の規模は18教室に加え、選択科目に対応する専用科目教室の配置を検討している。統合前に新校舎着工に向けた測量、設計の諸準備を進め、開校後に新校舎を完成させる見通し。工事期間は複数年を想定している。

 市民会館(有楽町837)は足利女子高隣接地に立地。1966年の供用開始以来、築53年が経過。耐震性不足、老朽化対策、設備機器の更新時期を迎え、建て替えを検討していた。市民会館機能は類似施設の市民プラザ(朝倉町264)内に集約するという。

 市民会館は大ホール棟(RC造地上4階地下1階建て)と会館棟(RC造2階建て)、1974年に増設した別館棟(RC造2階建て)の3棟で構成。総延べ床面積は1万平方m。開館当時は北関東有数の規模と音響設備を備え、文化・芸術の振興に貢献してきた。

 足利女子高は市中心部にあり、各方面からのアクセス性の良さが統合再編の決め手となった。県に譲渡するのは市民会館1・2haと市道大橋市役所通り0・25haを含めた1・45ha。足利女子高と市民会館の間を東西方向に横断する市道を廃止し、境界をなくす。

 JR足利駅からの距離は足利女子高が1・2㎞、足利高は2・4㎞。足利女子高から北西方向1・2㎞地点に足利高が立地する。両校の立地利便性を比較検討した結果、足利女子高の敷地に新校舎を建設することが望ましいと判断した。

 新校舎建設により足利女子高の校庭が手狭になることから、統合後の足利高の校庭や体育館を部活動に開放する。足利高には屋外トイレ、第2体育館には女子用トイレが整備されている。足利女子高から足利高への移動手段は、自転車利用が中心となる。

 足利女高には建物が6棟(本館、理科特別教室棟、第1体育館、第2体育館、特別教室棟、普通教室棟)、足利高には建物が4棟(管理棟第1校舎、特別棟第2校舎、第1体育館、第2体育館)がある。今後は建物改修、活用方法、解体へ向けた検討が必須。

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