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(社)群馬県建設業協会

群建協が高校教育でのICT施工教育で提言

2019/10/03 群馬建設新聞

群馬県建設業協会(青柳剛会長)は2日、建設系高校でICT施工について学習を推進するため最新技術や施工現場を体験できる機会の確保などを盛り込んだ提言をまとめた。きょう(3日)に行われる関東ブロックの建設業協会と国土交通省との懇談会で、関東地方整備局へ提言する。さらに、県に対しても環境整備の必要性を訴える。青柳会長は記者会見で「I-Constructionの推進といっても、それを学べる環境が整っていないのは深刻な問題」と危機感をあらわにした。

同協会は県内建設系高校8校を対象に、所有する測量機器の状況などについてアンケート調査を実施。教育の場で最新機器が導入されていない状況や機器の老朽化などの課題を踏まえて◇これからの建設業を担う建設系高校生に対し最新の技術や施工現場を体験できる機会の確保◇ICT関連の測量機器やソフトを購入、リースするための予算確保、助成制度の創設◇外部講師によるICT関連の授業など学校に大きな負担をかけない方法の検討-の3点を提言する。

青柳会長は「国を挙げてICTの導入で省力化を図っているが、その入り口となる教育の場で学ぶ環境が整っていないのは、今後の建設業の足元が揺らぎかねない深刻な問題。時代の変化に対応できていない」と指摘。加えて「国土交通省と文部科学省と横断する問題であり、トータルで対応できる仕組みが必要となってくる」と話した。

建設系高校における測量機器の所有状況はトータルステーション87台やレベルの測定機器85台に対して、衛星測位システムを利用した測量機器(GNSS)が20台と少ない。加えて、3次元測量のための3Dスキャナーに至っては1校も所有していないという状況。

所有する測量機器の20・3%が使用不可、33・5%は一部不具合もしくは故障があるが使用中となり、半数以上の機器に問題が出ている。特に電子平板については77%が使用不可という状況で、機器の更新が困難な状況が伺える。使用年数についての調査では、GNSSでも10年を超える機器が半数以上を占めている。電子平板とレベルの測定機器は全て使用年数が10年を超え、レベルの中には30年以上同じ機器を利用している高校もある。

高校からの自由意見として測量機器については、古い測量機器のため部品がなく修理もできず、授業に影響がある可能性が高いという意見が出された。ICT機器に関しては「ICTなどと言ってる場合ではなく、時代から取り残されている」や「世の中の進歩に学校はついていけていない」との意見があり、積極的な外部講師授業を求める声が挙がった。

高校へのICT教育を提言する青柳会長

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