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【安全衛生経費】確認表と標準見積書の作成・普及提言へ

2019/12/10 本社配信

 建設現場における災害を確実に減らすため、安全衛生経費が下請負人まで確実に支払われる実効性のある施策を検討している国土交通省の実務者検討会が、9日の会合で提言案を協議した。安全衛生経費の「見える化」と意識改革、取り組みの進化に向けて、①「安全衛生対策項目の確認表」と安全衛生経費の内訳明示のための「標準見積書」の作成・普及②安全衛生経費の重要性・必要性に関する戦略的広報③施策を体系的に進めるための仕組み構築―を提言の3本柱とし、年内に取りまとめる。「安全衛生対策項目の確認表」と「標準見積書」に関しては来年以降、ワーキンググループを設置して具体的な検討を行い、作成・普及につなげていく。

 確認表は、元下間における安全衛生対策の認識の違いの解消や意識の共有を図るため、建設工事の工種ごとに安全衛生対策項目の確認表を作成し、普及を図る。また下請け企業が元請け企業(直近上位の注文者)に対して提出する見積書について、従来の総額によるものではなく、その中に含まれる安全衛生経費を内訳として明示するための標準見積書も作成、普及を目指す。安全衛生経費を元請け企業へ適切に請求している企業や、下請け企業へ適切に支払っている企業を評価する仕組みの構築を見据え、建設キャリアアップシステムを活用した建設技能者の能力評価や施工能力の見える化に取り組む専門工事業団体の協力を得ながら、先行的にサンプルを作成することを視野に入れる。

 戦略的広報の関係では、リーフレットの充実、インターネットやソーシャルメディアでの情報発信、ポスターの作成・配布、全国安全週間での集中的な広報、発注者向け・一人親方向けのリーフレット作成などを提案する。

 さらに、安全衛生経費に関するフォローアップ調査やガイドブック・事例等のホームページ上での一元化なども求める。

 提言の内容は、今後の建設職人基本法に基づく基本計画の見直しに反映させる見通しだ。

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