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【業務の発注方式】地方自治体でも技術力評価を促進

2020/02/11 本社配信

 公共工事品確法の改正により、業務成果の品質を確保する観点からプロポーザル方式をはじめとした技術力による業者選定がより重要となる中、国土交通省は地方自治体でも技術力を評価した発注方式を促すような方策を検討している。国交省における2018年度の土木建設コンサルタント、測量、地質調査、建築設計、補償業務の発注方式では、プロポーザル方式が約2割、総合評価落札方式が約6割、価格競争等が約2割を占める。一方で都道府県の状況を見ると、価格競争の割合が非常に大きい状況にあるため、今後、価格競争等の発注方式の中に技術力による評価が必要な方式が含まれていないかを検証する見通しだ。

 都道府県における発注方式の適用事例について、国交省では3県を対象に18年度のプロポーザル方式と総合評価落札方式の導入状況を調べた。プロポーザル方式を導入しているA県では、総合評価方式は導入しておらず「高い構想力や技術力が求められる業務はプロポーザル方式で適切に評価できている」と理由を説明。B県は両方式を試行的に導入しているものの、具体的な基準は定めていない。両方式を導入していないC県は、未導入の理由としてプロポーザル方式は「指名競争入札または随意契約であるため、発注方式の設定基準はない」、総合評価方式は「指名競争入札を実施しており、現在のところ特に課題などは発生していない」と回答した。

 国交省では、発注者責任を果たすための業務やマネジメントに関する課題を議論する有識者会議で、業務内容に応じた発注方式の選択方法の改善を検討している。同会議で建設関連業団体の委員からは「地方自治体ではほとんどが価格競争で、最低制限価格が設定されていない場合も多い」「発注者側が安ければいいと考えている」「直轄の経験を分かりやすく説明する必要がある」などの意見が出ている。

 なお1月に改正された品確法運用指針では、業務の内容や地域の実情等に応じて適切な入札契約方式を選択することに加え、プロポーザル方式・総合評価落札方式の積極的な活用が、業務における「実施に努める事項」に位置付けられた。

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